第175話 VS魔法国家ソルセル(その1)

オニバル軍の精霊解放は着々と進んでいる。


レイ、ライゾウと共にスパが探したエルフの契約精霊を解放して行く。


その為、小国群の中を東奔西走とうほんせいそうした。


その際、剣聖オニバルの噂を聞き付け、小国群の中で腕に覚えがある剣士達がオニバルに戦いを挑んで来た。


いや小国群だけに限らず、帝国や教国からも剣士達が態々わざわざ小国群へ来てオニバルに戦いを挑む。


それらの剣士達の挑戦を受け、オニバルはことごとく倒していく。


倒していけばいくほど、噂が噂を呼び、また挑戦者が増える。


オニバルが忙しい時、挑戦者が多くて手が回らない時は、弟子達が挑戦を受け、挑戦者を倒していく。


オニバル達は挑戦者を殺さず、峰打ちで倒していく為、負けた相手の大分部がオニバルの弟子となり、オニバル軍に加入していた。


こうしてオニバル将軍の剣聖としての名声はとどまることを知らず、大陸に鳴り響いていった。


いままでのこの世界の剣術は力任せ、力が強く剣速が速い者が勝つ。


必然的に身体が大きく筋肉質の男が有利だった。


だが、オニバルの剣術は違った。オニバル自体は大柄で力も強いが、弟子達は身体が小さい者も多い。


『柔をよく剛を制す』日本の武道のように、身体が小さい者が身体が大きい者を倒す。


意外性と爽快感。


今まで威張りまくっていた者達を呆気なく倒していくオニバルの弟子達。


その姿を見て、身体が小さくて剣を諦めていた者達もこぞってオニバルの元に弟子入りしてくる。


人数が多くなることで裾野は拡がり、才能が有る者も増えていく。


更に才能有る者が切磋琢磨し技術は昇華していく。


そしてオニバル軍に以前からいる兵士達も、オニバルの剣の腕に憧れをいだき、剣の修行にのめり込んでいく。


必然的にオニバル軍の訓練は剣の修行が多くなり、剣の腕が上がっていく。


特に現在はこの世界で一番の回復魔法の使い手、精霊王で世界樹のレイが同行している。


荒っぽい訓練で負傷しても死なない限りは回復して貰える事が分かり、訓練も激しさを増していき、比例して弟子達の実力も急上昇していく。


オニバル軍は今回の戦争を機に、この世界のこの時代で剣の一大流派として成長していた。


オニバルの流派では、剣は打ち合わずかわして斬る。


その為、打ち合う為の大剣ではなく、斬る事に特化した日本刀が重宝される。


そんな理由で実力者は皆日本刀を欲しがる。


樹海王国では日本刀も製造しており、製造した日本刀は優先的にオニバル軍に回される。


その為、オニバル軍の日本刀の保有率は高い。


日本刀はオニバル流の剣術を、象徴するものとして認識されていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

傭兵国家マナセル軍。


傭兵国家マナセル軍には闇の王デルガと吸血鬼真祖ヴァンス、グレンシー将軍とその軍が加わり、小国群南部を侵略中。


侵略は順調に進んでいる。


抵抗する国や部族もあったが、圧倒的な力の前に薙ぎ倒されていった。


傭兵王パライド「グレンシー将軍、残すは最大勢力魔法国家ソルセルだな。

後は雑魚だ。」


グレンシー「そうだな。

ソルセルからは降服の意思表示がないので、戦う事になりそうだ。」


ヴァンス「少しは手応えがあれば良いがな。」

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