第176話 VS魔法国家ソルセル(その2)

魔法国家ソルセル王宮、王の執務室。


宰相「狩猟国家ハンテグ、傭兵国家マナセルが樹海王国の傘下に入り宣戦布告。

商業国家トレセルは崩壊。

小国群4大国で残るは、我が国のみとなりました。

帝国にならって樹海王の魔王認定は取り消しました。

しかし同じく魔王認定を取り消したトレセルは滅びました。

このままでは戦いは避けられません。

樹海王国の戦力は圧倒的です。

降服するしかありません。」


王「そうであろうな。

帝国には援軍を断られた。

魔王認定取り消しで教国からの援軍も当てに出来ない。

頼りの竜脈の魔女様とも連絡が取れない。

我が国単独ではとてもかなわない事から仕方がないな。」


宰相「我が国にも意地は有ります。

強力な魔法騎士団もあります。

一度戦い、手強いところを見せましょう。

その後に降服し、少しでも条件を良くしたいと思います。」


王「商業国家トレセルは、下手に交渉しようとした。

そして怒りを買った為、滅亡したと聞いている。大丈夫か?」


宰相「魔法騎士団には、竜脈の魔女様が考案した5段魔法があるのですよ。

簡単に負けることは考えられません。」


王「そうだのぅ。宜しい。戦おう。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

傭兵国家マナセル軍。


デルガ「どうやら魔法国家ソルセルは戦いを選んだらしい。

待ち伏せだ。

このまま進むとぶつかるぞ。」


グレンシー「ぶつかりましょう。

負ける気はしません。」


マナセル軍が魔法国家ソルセル軍と対峙する。


簡易的な砦の中でソルセルの軍が待ち構えていた。


グレンシー「突撃!」


グレンシーの号令でマナセル軍が突撃する。


マナセル軍は殆どがグレンシーの兵士だけどね。


ソルセル軍から一斉にファイアーボールの魔法が放たれた。


人間の魔法は詠唱が必要で有る。


通常は魔法発射後に詠唱の時間が有るため、その時に進軍する。


また初球魔法であるファイアーボールは、威力が弱い。


しかし大勢の人数で発射タイミングを合わせる事で、ソルセル軍のファイアーボールは、中級魔法のファイアーランスなみの威力となった。


そして階段状の台で、5列に並んだソルセルの魔法騎士団は、列毎に詠唱の開始をずらす事で間髪入れずに次々とファイアーボールが発射される。


詠唱はまるで合唱の輪唱のようだ。


織田信長の鉄砲三段撃ちを魔法で行っているのだろう。


詠唱が長いので五段撃ちになっているのだ。


魔法五段撃ち!


流石魔法国家ソルセルの魔法騎士団!


更にMPが少なくなったもの達は、魔法発動後のタイミングで交替していく。


交替した魔法騎士は魔力ポーションでMPを補給。


他の列の詠唱に釣られる事もなく、騎士団長の指揮で一糸乱いっしみだれず間段まだんなく発射されていく。


ファイアーボールの熱量が消える前に、次のファイアーボールが到達するため、魔法を受ける地点ではその効果は上昇していく。


マナセル軍は魔法障壁を張る。


サクラ考案の結界魔道具の応用。


右手の腕輪が簡易結界の魔道具になっていた。


右手腕輪を前に出し魔力を込めると魔法障壁となり魔法を防ぐ。


少しの魔力で効果を発揮出来るよう、魔石がセットされている。


込める魔力は障壁開始のスイッチ程度。


魔法障壁に間段なく放たれるファイアーボール。


魔法障壁の前は高温となり温度が上昇していく。


こうしてみると、竜脈の魔女VS深淵の魔女の構図。


本人達は嫌がるだろうけどね。

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