第349話 迷宮都市ラビリス(その7)

俺は魔女のサクラと吸血鬼真祖のヴァンス、アマゾネス国女王のヒポリュテに念話で召喚する旨を伝え、本人達の了承後、召喚した。


サクラ「ヒロト~。久しぶり~。」


サクラがいきなり抱きついて来た。


俺はサクラの頭を右手でなでなでしながら左手で抱き抱える。


「来てくれて有難う。サクラに教えて欲しい事があるんだ。」


サクラ「なんでも聞いて。」


サクラの後方で召喚されたヴァンスとヒポリュテがニコニコ見ている。


「ヴァンス、ヒポリュテも召喚に応じてくれて有難う。」


ヒポリュテ「陛下のご命令とあれば何時でも参上致します。例え入浴中でもトイレに入ってても、陛下さえ良ければ何時でもお呼び下さい。」


「トイレ中は嫌だな。」


ヒポリュテは上目使いで頬を紅くしてもじもじしている。


トイレに行きたかったのかな?


無理しないで、トイレに行ってからでもいいのに。


「トイレに行きたいなら行ってきてもいいよ。」


ヒポリュテ「そ、そんな事はありません。大丈夫です。」


ヒポリュテはわたわたしだした。


サクラ「ヒロトに惚れてるのよ、察して上げて。」


サクラは小声で俺に説明した。


「ほ、惚れてる。そ、そうか。」


ヴァンス「俺もトイレ中は嫌だよ。ところで、こんな迷宮の最下層に呼ばれた目的はなんだい?」


「紹介が先だな、今回ここにいる魔神パズズであるダンジョンマスターのバズを俺の眷属にした。」


バズ「この迷宮『千尋の洞窟』のダンジョンマスターバズです。新参者ですが、宜しくお願い致します。」


ヴァンス「樹海帝国伯爵のヴァンスだ。宜しく。」


ヒポリュテ「樹海帝国の属国であるアマゾネス国の女王ヒポリュテです。宜しくお願い致します。」


サクラ「樹海帝国皇帝ヒロトの后妃サクラよ。宜しくね。」


それぞれ自己紹介させた。


「この迷宮『千尋の洞窟』をヴァンスの国とアマゾネス国の中間ぐらいに移転しようと思っている。」


ヴァンス「移転!それはいいね。」


ヒポリュテ「移転!そんな事が可能なのでしょうか?」


「サクラ、出来るよね?」


サクラ「出来るよ。なんだったら私のダンジョンを持ってきてもいいわよ。」


「いや、バズのダンジョンがここにあると色々面倒なので、移動したいんだ。そして、ヴァンスとヒポリュテに承諾を貰えば、ついでにヴァンスの国とアマゾネス国の近くに移転することで、両国の経済発展と防衛力強化も図りたい。」


ヴァンス「なるほど、兵士のレベ上げが出来る上に、戦争になったらダンジョンの魔物を兵士として使うのだな。私に国気遣っていただき有難う御座います、是非お願いします。」


ヒポリュテ「ダンジョンの素材を売買出来るのですね。素晴らしいです。是非お願い致します。」


「それから、この国で知古を得た三つ目族の商人アキルイと言う男がいる。その商会も両国に移転させてダンジョンの商売を管理させたい。」


ヒポリュテ「承知しました。」


ヴァンス「特に問題はないね。勿論、商売で得た利益の一部は税として納税して貰うよ。」


「それは当然の義務だね。詳細は本人とそれぞれ詰めてくれ。」


ヴァンス「了解。」


「サクラ、バズはダンジョンの転移の仕方が分からないらしい。教えてあげて欲しい。」


サクラ「良いよ。そんなに難しく無いし。」


バズ「お願いします。移転出来るんですね。」

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