第365話 VSヘカトンケイル

ギガンテスと竜人ドラゴニュートの戦いも、このまま行けば我々の勝利は間違いないな。


「しかし、サイクロプスとギガンテス、ヘカトンケイルかぁ。ティタノマキアやギガントマキアの様だ。」


ユイ「何、それ?」


「地球のギリシア神話の中に出てくる巨人族と神の戦いの事だよ。サイクロプスやギガンテス、ヘカトンケイルが出てくる話さ。」


ユイ「へぇ、結局誰が勝つの?」


「巨人族が負けて、大神ゼウスが勝つよ。」


ユイ「そうなんだー。」


「だけど、巨人族が南の王国にいるなんて始めて聞いたぞ。何でタキーダ辺境伯軍に居るんだろう。そもそもタキーダ辺境伯軍なのにタキーダ辺境伯の姿は見えないな。」


ウィーラ「そうじゃの。ここは南の王国の民に聞いた方が早いじゃろ。」


「そうだね。アキルイを呼ぶか。」


アキルイに召喚の了承を貰って召喚した。


アキルイは飛べないので、グリフォン軍からヒッポグリフを一匹呼んで、召喚したアキルイを乗せた。


ヒッポグリフ。

鷲の翼と前半身。馬の後半身。

鋭い嘴くちばしと前足の鉤爪。


アキルイ「どうされました?」


「アキルイ、タキーダ辺境伯軍を見てくれ、巨人族が居るだろう。タキーダ辺境伯の軍には前から巨人がいたのかい?」


アキルイ「本当ですね。巨人族は南の王国の東端の山脈に住んで居ました。タキーダ辺境伯の領地の外に住んでいるので軍にはいませんでした。」


「そうすると今回タキーダ辺境伯軍の傘下に居るのは何か訳が有るのか?」


タキーダ辺境伯軍のヘカトンケイルと樹海帝国軍のグリフォン軍とコボ4軍が戦っていた。


ヘカトンケイル。

百本の腕がある巨人。筋肉質の上半身は裸。


3人のヘカトンケイルが土魔法で大岩を次々と樹海帝国軍に投げている。


グリフォン。

鷲の翼と上半身。ライオンの下半身。

鋭いくちばしと前足の鉤爪。


グリフォン族の族長リグルは、ヒロトの眷属となった後、狩猟用の迷宮でレベ上げの修行を重ねて、グリフォンキングからグリフォンエンペラーに進化していた。


通常のグリフォンより二回り大きい身体。


ヘカトンケイルの大岩をそのスピードで躱しながら近付く。


避けきれ無い大岩は前足の鉤爪で砕く。


ヘカトンケイルの振り回す腕を掻い潜って攻撃を加えようとするが、ヘカトンケイルの腕は百腕!


掻い潜れ切れず、ヘカトンケイルの腕とリグルの鉤爪がぶつかる。


お互いに有効な攻撃を決められず、持久戦となっていた。


コボ4VSヘカトンケイル。


コボ4はエルフの弓矢で一度死んだコボルト。コボ1、コボ2、コボミの弟。コボ5の兄。


不死王ルシーが死霊魔法で甦らせ、生前のコボルト種からアンデットのスペクター種に変化。


修行の末スペクターエンペラーに進化した。


ヘカトンケイルは土魔法で巨大な大岩を放つが、スペクターエンペラーとなったコボ4には物理攻撃が通じない。


一方、コボ4もヘカトンケイル致命的なダメージを与えられず戦況は硬直。


ヘカトンケイル2体はリグルとコボ4が押さえている状況。


残りの1体はコボ4の軍のアンデットであるスペクター種、ファントム種、レイス種の兵士が何とか凌いでいた。

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