第127話 四面楚歌

スパ「教国が樹海の王を魔王に認定し、各国に通達を出しました。」


「そっか。魔王にされたか。ところで魔王ってなんだ?」

ルシー「称号だよー。魔族か魔物の王となった時に付与されるの。その称号が着くと特別なスキルが発動するわ。魔王は勇者じゃないと殺せないんだからー。」


「俺は人間だし、魔王の称号はないけど。」

ルシー「人間は魔王になれないよー。」


「だよね。」

ルシー「人間達が自分の都合で勝手に言ってるだけよ。」


レイ「精霊王も称号だよ。特別なスキルがあるんだから。」

「どんなスキル?」

レイ「精霊達がいうことを聞くのよ。」

「いいねー。」


「ところで、ユイは勇者の称号があるんだよね。」

ユイ「ある。種族はリッチになっちゃったけどね。」


「特別なスキルがあるのかな?」

サクラ「剣の勇者は聖剣が発現するけど、魔法の勇者は聖魔法のホーリークラッシュだね。聖魔法最大最強の魔法。それで魔王を倒すんだよ。」


ユイ「聖魔法は使えるけど、ホーリークラッシュは使えないなぁ。」

サクラ「きっとレベルが達していないんだよ。」


ユイ「レベ上げが必要なんだー。」

サクラ「多分剣の勇者にも、まだ聖剣技の奥義は発現していないね。」


ルシー「リッチで聖魔法が使えるって可笑しいね。」

サクラ「自分に当たると消滅するかも。ユイ、気を付けてね。」

ユイ「う~。怖い。」


「ユイには念のためレベ上げして貰おう。まあ、戦うとは限らないし、殺さなくても何とか出来るかも知れないけど。」

ユイ「戦う事になった時、私のレベルが上がって無かったらどうするの?」


「サクラ、魔王を封印出来ないかな?」

サクラ「ほほぅ。面白い考えだね。多分出来るよ。四聖獣と四霊獣の素材も入手出来るし。」

サクラは周りを見渡す。

応龍ハク霊亀リザ麒麟コボミ鳳凰ハピがドキッとしていた。

サクラ「封印の方が良いかもね。次の魔王が出現しなさそうだし。」



「スパ、ところで魔王軍の様子はどんな感じ。」

スパ「それがおかしいのです。樹海の王の魔王認定は知られているはずですが、通常通りで驚きもなく淡々としています。どうも魔王認定されることを事前に知っていた様です。」


「ふむ。魔王軍もかんでるのかもね。魔王軍四天王、謀略のジョローニが怪しいね。」

スパ「そうかも知れません。教国や帝国にもジョローニの工作員が潜入しているのかも知れないので、小蜘蛛密偵を増やします。」


スパ1「それと、古龍エンシェントドラゴンの動きも怪しいです。」

「古龍?」


スパ1「古龍の山脈の主です。山脈から一度、竜の群れが樹海上空に飛んで来ましたが、四霊獣結界に阻まれて何も出来ず帰りました。」


「四面楚歌だねー。対策を考えようか。」

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