第286話 饕餮(その6)

 ハーミア「陛下、アンナ様以外も強いと聞いていましたが、模擬戦をお願いしても良いのでしょうか?」


「ハーミアも熱心だね。魔法がメインの者が多いけど、それでもよければ聞いてみな。」


ユイ「そうね。私もウィーラもグレイアも魔法が得意だからね。剣には付き合えないわ。」


ウィーラ「そうじゃな。」


グレイア「そうね。」


ビー「私はどっちでも良いわよ。但し、武器は槍よ。」


ビーは槍を持っている。


ハーミア「ビー将軍、是非おねがいします。」


アンナ「ちょっと待って、砂漠に饕餮トウテツが現れたわ。」

饕餮トウテツ!」


オニバル「面白いところに来ましたね。私も行きましょう。」


ライゴー「前回リザルド元帥が間に合わなくて、怒ってたので、リザルド元帥にも連絡しますよ。」


「それは、任せたよ。」


アンナ「転移で行きます。誰が行きますか?」


「う~ん。俺とアンナとオニバル、ビーかな?」


ハーミア、ライゴー、ライカ「私も行きます。」


「ハーミア、ライゴー、ライカはきついだろう。見学だけなら良いけど。気を抜いてワームに食われるなよ。」


ハーミア、ライゴー、ライカ「はい。承知しました。」


「レイは手甲で一緒に来てね。」


レイ「はい。」


「他の皆は待っててね。」


グレイア「えー。レベルアップするかも知れないでしょ。行くわよ。」


ウィーラ「そうじゃな。」


ユイ「私も行くよ。」


「じゃあ、ブラリリ一人で残す訳にも行かないから皆で行くか。」


アンナ「行きます。」


アンナの転移で砂漠に行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


砂漠では饕餮トウテツと複数のワームが戦っていた。


地中からワームが饕餮トウテツを襲う。


饕餮トウテツの白い羊毛がワームを絡めとる。


『バリバリッ』饕餮トウテツが羊毛でワームを口に運び喰う。


オニバル「饕餮トウテツ!」


饕餮トウテツ「ん?餌が来たか。」


オニバル、アンナ、ビーが饕餮トウテツに向かって走る。


地中から羊毛が伸びて、後方で見ていたライカとハーミアに絡んだ。


ライカ、ハーミアは刀と剣を抜き羊毛を斬ろうとするが斬れない。


俺はムラマサを抜刀。


ハーミアに絡んだ羊毛を斬る。


ライゴー「ライカ、剣速が足りんな。」


ライゴーが、ライカに絡んだ羊毛を斬った。


ライカ「うう。悔しい。」


グレイアが闇の魔法で触手を展開し、ブラリリ、ユイ、ウィーラに迫る白い羊毛を阻止する。


オニバル、アンナ、ビーにも白い羊毛が伸びる。


オニバルは刀で斬り払う。


ライゴー「流石オニバル将軍。饕餮トウテツも斬れるかも。」


「そう簡単にいくまい。リザルドも斬れなかったからね。」


ライカ「そうかぁ。」


ビーは翅を出して飛び上がった。

白い羊毛はビーの足を掠めるが届かず。


アンナは蟻酸を吐き飛ばす。


白い羊毛は煙をあげるが溶けない。


剣で切り裂いた。


饕餮トウテツまでまだ距離があるが、オニバルは刀を振り落とす。


剣撃が飛ぶ。


饕餮トウテツの羊毛は断ち斬れない。


そのままオニバルは走る。


上空よりビーのニードルバレットが間段なく放たれる。


饕餮トウテツは羊毛でニードルバレットを防ぐ。


アンナが饕餮トウテツの背後に転移。


ショートソードで斬りつける。


羊毛はアンナの斬撃ざんげきの威力を吸収する。


羊毛はアンナを絡めとる。


アンナはキラーアントナイトを召喚。


キラーアントナイトは大剣でアンナに絡んだ羊毛を斬り払う。


オニバルが飛び上がり、上段の構えから饕餮トウテツを斬り落とす。


饕餮トウテツは顔を左に躱す。オニバルの刀が饕餮トウテツの右肩を斬る。


オニバル「ちっ、浅いか。」


饕餮トウテツは左前足でオニバルを払う。


オニバルは飛び退ずさる。


そこにリザルド登場。


リザルドも飛び上がり魔剣を振り落とす。


リザルド「貰った!」


饕餮トウテツは横に転がり、リザルドの斬撃を躱す。


饕餮トウテツの羊毛が一気に膨れ上がる。


近くにいたアンナとキラーアントナイト達が、羊毛の波に巻き込まれた。


アンナはキラーアントナイトを送還。


魔力を全身に纏わせた。


アンナの足元に闇が拡がる。


アンナ「冥界の闇から現れし黒き餓えた眷属達よ、饕餮トウテツを喰らい尽くせ!」


足元の闇から数万匹の極小のキラーアントが這い出て来た。


黒い波となって饕餮トウテツに向かって行った。


黒い波は饕餮トウテツに群がり食いつくして行く。


白い羊毛が極小の蟻達に喰われていくと、アンナの姿が見えた。


リザルド「やったか?」


アンナ「逃げられたようです。」


リザルド「ちぃっ!今度こそ倒せると思ったが・・・。」

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