第287話 ノガート町(その1)

饕餮トウテツに逃げられた後の砂漠地域。


「リザルド、御苦労様。」


リザルド「また、逃げられたよ。」


「しょうがない。転移で逃げたのかな?」


ウィーラ「転移じゃろう。」


「転移なら行ったことがある場所にしか行けないでしょ。」


ウィーラ「そうとは限らんし、隠蔽してれば分からんからのぅ。」


「また、出現待ちだね。」


ウィーラ「戦う時は出現せざるを得ないからのぅ。」


ユイ「饕餮トウテツは2度出てるけど、窮奇キュウキは出ないわね。」


「そうだね。窮奇キュウキの行方は気になるな。」


グレイア「饕餮トウテツは大食漢みたいだから、時々出現して食べるときに見つけられるのかもね。」


ウィーラ「うむ。不味いワームを喰っておったのぅ。」


アンナ「ワームは不味くないですよ。」


ハーミア「え~。ワームを食べるんですか?」


「アンナだけね。キラーアントはワームを食べるらしいよ。」


ハーミア「そうなんだ~。」


ハーミア「しかし凄い戦いでした。樹海帝国の皆様はこんな戦いをしているのですね。」


「いや、皆してる訳じゃないけど。」


ウィーラ「うむ。一部の戦闘に特化した仲間だけじゃ。」


ユイ「戦闘に特化した仲間も多いけどね。」


ハーミア「ところで、此方こちらかたは、凄く強い仲間のようですが、どなたですか?紹介してください。」


リザルドに開いた手を向ける。


相変わらず強さに興味津々だなぁ。


「樹海帝国の軍を統括しているリザルド元帥。おれの義理の父です。」


ハーミア「リザルド元帥、はじめましてアマゾネス国王女のハーミアです。」


リザルド「樹海帝国元帥リザルドだ。もう樹海に帰るけどな。眷属になっているみたいだから会うこともあるだろう。宜しくな。」


リザルドは手をあげると転移で消えた。


オニバル「では、我々も引き上げます。修行の時は呼んでください。」


「はいよ~。またね。」


オニバル、ライゴー、ライカも樹海帝国に引き上げた。


「さて、俺たちも戻るか。」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


転移で模擬戦をしていた場所に戻って、南の王国の町ノガートに向かう。


「ハーミア、南の王国には密かに入国したいんだけど。面倒なのは御免だよ。」


ハーミア「心得ております。この先に関所があるのですが、関所は通らない方が良いのですよね?」


「そうだね。」


ユイ「遠回りして入国出来ないの?」


ハーミア「可能ですが、道が無いところを行くので、馬車では行けないでしょう。」


「関所以外に道は無いって事か。」


ハーミア「はい。」


「俺がちょちょいと関所を通って、後で召喚するよ。」


ハーミア「ちょちょいと?」


「レイの認識阻害のスキルかスラオの隠蔽かな?」


ハーミア「認識阻害?隠蔽?」

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