第346話 迷宮都市ラビリス(その4)
アキルイが宿の酒場に行くと、領主ラバガル子爵と娘のラブリルと騎士2名が待っていた。
俺達はその様子を個室から念話で見ている。
アンナ「外に騎士が20名ほどいて、宿を取り囲んでいます。」
「逃げないように包囲してるんだな。」
ラバガル「アキルイ、貴様には『千尋の洞』の窟密漁者を匿っている容疑がある。詰所まで同行して貰う。」
アキルイ「はい。分かりました。」
アキルイはラバガルの方に歩き出す。
これって俺のせいだような。
このままアキルイが連れていかれると拷問が待ってるだろう。
しょうがない。
「待て!」
おれたちは個室から出て、宿の酒場に入った。
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迷宮都市ラビリスの宿屋『小鳥の宿』。
その1階にある酒場。
迷宮都市ラビリスの領主ラバガル子爵とその娘ラブリルが椅子に座っている。
その左右に騎士が一人づつ立つ。
向かい合って商人のアキルイ。
ラバガルは迷宮『千尋の洞窟』の密漁者幇助の疑いで逮捕しようとしていた。
酒場から宿に続く出入口の扉を開けて俺達が酒場に入った。
そしてアキルイが進んで逮捕されようとするのを止める。
俺達は・・・。
俺、樹海帝国皇帝のヒロト。
人間、職業魔物使い。
左目に眷属で神眼のアイ。
左腰に眷属で神刀のムラマサ。
左手に眷属で世界樹のレイが手甲になっている。
レイは精霊王だ。
そして世界樹は移動できないため分身体。
鎧の下には眷属で悪魔ベルゼブブのスラオが隠れている。
俺自身は大して強くない。
アイ、ムラマサ、スラオ、レイ頼りだ。
同行しているのは、ダークハイエルフのグレイア。
魔女ウィーラ。
勇者でエルダーリッチのユイ。
ユイは異世界『日本』からの転移者だ。
ラブリルが俺を見て歓喜する。
ラブリル「ヒロト!ここにいたのか。さあ、こちらに来るのだ。助けて貰ったお礼をしよう。一緒に我が館に招待しよう。」
俺は不機嫌な顔できっぱりと断る。
「お断りします。」
ラブリル「何?」
ラブリルは理解出来ない様子。
左右の騎士は苛立つ。
騎士「貴様!断ること等出来る分けないだろう。領主のお嬢さんの言葉だぞ。まず、跪け!」
領主ラバガルはニヤリと笑う。
ラバガル「ふん。礼儀も知らぬ奴等だ。密漁は特別許してやる。そして貴様を騎士団の団長にしてやろう。」
ラバガルは寛大な領主で有ることを、アピールするように俺に向かって言った。
その後、アキルイを睨みながら。
ラバガル「だがアキルイは許せん。領主の俺に貴様らの情報を隠していた。到底許せるものではない。アキルイは引っ捕らえろ!」
騎士達は『騎士団の団長』の言葉に戸惑うが、アキルイを捕まえる命令には素直に従う。
騎士達「はい。畏まりました。」
騎士達がアキルイに向かって歩き出す。
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