第345話 迷宮都市ラビリス(その3)

迷宮都市ラビリスの迷宮『千尋の洞窟』地下30階。


ダンジョンマスターの魔神パズズをテイムした。


名前は『バズ』にした。


「バズ、ところでこのダンジョンって、何階まであるの?」


バズ「地下50階です。」


「後、20階もあるんだ。」


バズ「はい?」


ユイ「じゃあ次の階に行こー。」


バズをテイムし眷属にした後、地下31階に行く階段が出現していた。


ユイはその階段に向かって歩き出す。


バズ「ちょっと待って下さい。」


ユイ「ん?」


バズ「下に行って何をするんですか?」


ユイ「勿論、討伐&素材回収だよー。」


バズ「魔物を再出現させるのに、ダンジョンポイントが大量に必要になるので、止めて欲しいです。」


「そだね。バズを眷属にしたから、このダンジョンは言わば俺の物だし、ここらで迷宮探索は止めておこうか。」


ユイ「えー。もう終わり?」


ウィーラ「まあ、しょうがないじゃろ。」


ユイ「がっかり。」


「バズ、俺達は一旦帰るわ。また後でな。」


バズ「はい。」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


商人のアキルイに会って素材を売るか。


小鳥の宿に戻ってアキルイと個室で話す。


「素材を持ってきたよ。」


アキルイ「お疲れ様です。今回は何階まで行かれたのですか?」


「地下30階だ。」


アキルイ「え!新記録じゃないですか。地下30階が最下層だったのですか?」


「いや、最下層は地下50階だ。でも31階より下には行かない事にした。今回で最後だ。」


アキルイ「そうですか、承知しました。色々聞きたいことがありますが、深く聞くのは止めておきましょう。」


「その方が良い。」


アキルイ「ところで、領主ラバガル子爵のお嬢様がヒロト様を探しております。」


「ふむ。ダンジョン内で成り行きで助けたのだが、失敗だった。会うつもりはないよ。」


アキルイ「その方が良いでしょうね。私の仕入れた素材はヒロト様から入手した事がばれてますので、会ったら面倒な事になるでしょう。」


「やっぱり・・・。」


アンナが突然出現した。


アンナ「ヒロト様、この宿に騎士達が向かって来ます。領主と娘も一緒です。」


「ここがばれたのかな?」


アンナ「いえ、どうやらアキルイさんを捕まえようとしています。」


アキルイ「え!私ですか?」


アンナ「はい。」


アキルイ「何でしょう。ラバガル子爵との関係は良好なのですが・・・。」


グレイア「素材を狙ってるんでしょう。」


ウィーラ「そして、ヒロト様の所在を聞き出すつもりじゃろ。」


「逃げるか?匿ってもいいよ。」


アキルイ「ふむ。取り敢えず会って話をします。」


そこに宿屋の娘が来た。


娘「すいません。領主様がアキルイさんに話があると見えてます。」


アキルイ「分かりました、伺います。」

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