第344話 魔神パズズ(その3)

魔神パズズの足下に召喚魔方陣が展開された。


パズズ「俺を怒らせたな。只で済むと思うなよ。大都市も一瞬で全滅する究極の力を見せてやる。後悔したまま骨になれ!」


召喚魔方陣から大量の飛蝗ひこうが現れた。


パズズ「究極魔法、漆黒の暴食者、蝗害こうがいだ!」


飛蝗ひこうはトノサマバッタの相変異種。


通常のトノサマバッタより翅が長く色が黒い。


そして狂暴。


この世界の飛蝗は魔物の1種。


何でも食い散らかす。


パズズ「行け!不遜なゴミクズどもを食い殺せ!」


迷宮都市ラビリスにある千尋の洞窟地下30階ボス部屋。


魔神パズズと戦闘中。


魔神パズズは飛蝗ひこうの大群を召喚した。

アンナ「これは私の番ですね。」


キラーアントエンプレスのアンナは羽蟻の大群を召喚した。


飛蝗ひこうの大群と羽蟻の大群がぶつかる。


黒い雲同士が重なる。


飛蝗ひこうと羽蟻は拮抗している。


お互いに食い合う。


飛蝗ひこうと羽蟻の争いをぼーっと見ていた。


何時の間にか魔神パズズは前方から姿を消していた。


俺の後ろからパズズの爪が俺を襲う。


スラオの闇の触手がパズズの腕を押さえた。


俺は振り向き様ムラマサを抜刀。


居合斬り。


パズズは後ろに躱す。


「速いね。」


パズズ「クッ。」


ウィーラ「え!次は妾じゃろ。」


「ご指名みたいなので、俺が行くよ。」


俺はムラマサを中段に構えてパズズと対峙する。


パズズは俺の右側に移動し左手の爪で襲う。


瞬間的な移動。


全く見えなかった。


しかし俺の左目、神眼のアイはスキル未来眼がある。


敵の次の行動が分かる。


俺は後ろに躱すとムラマサを草薙に払う。


パズズはジャンプで躱すと鷲の爪で蹴りを俺の顔に放つ。


俺は顔を横に躱す。


ムラマサの柄でパズズの鷲の足を叩く。


パズズは後ろに飛び退いた。


パズズ「むむ。これも躱すか。次はこれだ!」


パズズから風の刃が放たれた。


俺はムラマサで風の刃を斬り払う。

パズズ「むむ。これも駄目か。」


ユイ「ヒロト様、なに遊んでるんですか?」


「いやいや、こいつ結構速いよ。」


グレイア「速いだけでしょ。そんなに攻撃力は無いわ。」


パズズ「何だと!」


パズズは飛び下がり距離を取る。


回りに魔方陣が浮かび上がる。


パズズ「蝗害!」


魔方陣から飛蝗の群れが飛び出す。


パズズは飛蝗に紛れて飛びかかってきた。


「暴食!」


スラオの暴食が発動した。


飛蝗は俺の胸辺りのスラオに吸い込まれていく。


凄い吸引力。


パズズも吸引されて近づいてくる。


逃げようとするが、逃げられない。


スラオが触手を出す。


そして近づいてきたパズズをスラオの触手が捕まえた。


両手両足を拘束しがんじがらめ。


アンナも蝗害を倒してこちらに歩いて来た。


アンナ「殲滅完了しました。」


パズズの首筋にムラマサを当てる。


「チェックメイトだ。」


パズズ「クッ、殺せ!」


でたあああ、くっころ!


ユイ「絵に描いたような『くっころ』ね。」


「うんうん。これは殺せないな。」


パズズは面白くない顔。


「パズズ、俺の眷属になりな。」


パズズ「眷属?」


「そうすればこの迷宮はこのままにするよ。」


パズズ「分かった。」


触手から脱け出すのを諦めて、脱力しながらパズズは答えた。


「テイム!」


<パズズをテイムしました。>


頭の中にメッセージが流れる。


「名前は・・・」


パズは言いにくいので、う~ん。


「バズ!バズにしたぞ。」


バズ「え!はぁ、分かりました。」


あまり納得してないようだ。

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