第266話 アマゾネス国(その2)

ヴァイラ「樹海帝国の皇帝陛下が御見えになりました!開門しなさい!」


門が開く。


ヒポリュテは合奏団に指示を出す。


大音量の演奏が始まった。


そして馬車の前を行進する。


合奏団の後を馬車がゆっくり進む。


その後をアマゾネスの兵士達が武器を掲げて行進。


城に続く道の両脇には、大勢の民衆が熱狂的な声援をおくる。


俺とレイは手を振って答える。


パレードか?


参ったな~。


こういうの苦手なんだよな。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

アマゾネス国の城、謁見の間。


扉を開けて入ると左側にアマゾネスの兵士が整然と並んでいる。


右側には、恐らくヴァンスの吸血鬼の兵士が並んでいる。


一番奥の一段高いところに女王の椅子がある。


先頭左側にヒポリュテ、右側にヴァンスが歩く。


その後ろに俺とレイ。


次にアンナとビー。


その後ろにグレイアとウィーラ。


最後にユイとヴァイラが歩く。


女王の椅子がある段の下まで歩きヒポリュテは振り替える。


ヒポリュテ「陛下、女王の椅子は陛下用に変更しておりますので、上にお進みください。」


「ふむ。そう言う事か。いいだろう。アンナ、ビーついてこい。」


アンナ、ビー「はい。」


俺は一段上の椅子に座り、両脇にアンナとビーが立つ。


下でヒポリュテ、ヴァンス、ユイ、ウィーラ、ヴァイラがこちらを向いて跪く。続いて両脇の兵士達も跪く。


レイはぼんやり立っている。


レイは相変わらずだな。


精霊王が跪くのもおかしいかな?


「レイは俺の横においで。」


レイ「はい。」


レイは俺の横に移動した。


「皆さん。顔を上げて普通に立っていいです。


本日は歓迎、そして出迎え有難う。


南の王国に行く為、事前の情報収集でアマゾネス国へ立ち寄りました。」


ヒポリュテ「お立ち寄りいただき有難う御座います。


また、驩兜カントウ軍に襲撃された際は助けていただき有難う御座いました。」


「早速ですが、南の王国の情勢を教えてください。」


ヒポリュテ「南の王国では渾沌コントンが第一王子の結婚の儀最中に王都に出現し、王族が全員殺されました。」


「そう言う事か。何で全員殺されたのかと思ってたが、結婚の儀で全員たまたま揃っていたのか。」


ヴァンス「とは限らない。狙っていたのかも知れない。」


「そうだな。」


ヒポリュテ「暫く王都に渾沌コントンは居座っておりましたが、現在は消息不明です。」


「いなくなったのか。」


ヒポリュテ「そして南の王国は混乱を極めております。」


「そうだろうね。全員死んでいると跡継ぎがいないからね。」


ヒポリュテ「地方の有力貴族達がそれぞれ覇を唱え、軍を編成し周りの領地を吸収し争い始めました。」


ユイ「戦国時代突入ね。」

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