第193話 VS魔王軍(その4)

シルミル教国の地方の都市。


聖騎士シレオマと聖女シエットは騎士団と共に都市奪還の為、戦っていた。


しかし、その脅威に圧倒されて絶体絶命の危機。


その危機をリッチの勇者ユイが救った。


シレオマ「ユイ!有難う。」


シレオマは立ち上がる。


マミーが地中から現れシレオマに掴みかかる。


シレオマ「聖十文字剣ホーリークロス!」


シレオマの聖剣技がマミーを十文字に斬り裂く。


マミーは動きを止めた。


グール達はユイに向かって行く。


ユイの後ろから、黒い重鎧を着たオニバル軍の兵士達が、駆けて来た。


兵士「ユイ様、単独行動は危険です。」


ユイ「ごめんね。騎士団達が危なかったの。」


オニバル軍の兵士達はグール、ゾンビ達を切り裂いて行く。


ユイ「シレオマ、助けに来たわ。

彼らは樹海帝国の兵士達。」


シレオマ「有難う。助かった。」


聖なる槍を受けて倒れていたデュラハーンが起き上がった。


無言でシレオマに斬りかかる。


シレオマは咄嗟に剣で防ぐが飛ばされる。


するとシレオマとデュラハーンの間にオニバル将軍が立つ。


オニバルの気迫が漂う。


オニバル「樹海帝国将軍オニバルだ!参る!」


オニバルは左腰の日本刀に手をかけ、鯉口を切る。


デュラハーンは大剣を横から薙ぎ払う。


オニバルはギリギリで一瞬後ろに躱す。


デュラハーンはオニバルの残像を斬る。


オニバルは踏み込む。

横一閃の居合い斬り。


デュラハーンの身体は上下に別れて倒れた。


騎士団の騎士達、シレオマはオニバルの剣技に感嘆の声。


その後ろかライオンの獣人ライゴー副将軍とその妹ライカが近付く。


ライゴー「剣聖オニバル将軍の剣技は憧れますね。」


シレオマ「ライゴー!オニバル将軍は、剣聖アバンニを倒した貴様より強いのか?」


ライゴー「勿論です。兄弟子ですから、剣聖オニバル将軍には一度も勝った事はありませんよ。」


シレオマ「剣聖、兄弟子・・・。

樹海帝国の戦力は底が知れない。

こんな勢力と敵対していたのか。」


オニバル将軍が騎士団の元に歩いてくる。


オニバル「シレオマ殿、この都市は私の兵士で奪還できるので、騎士団の方々と私の兵士達を残して守る事とする。


しかし一つづつ都市を奪還するのは、時間と人員が必要になる。

そんな時間と人員もいないので、我々は他の都市には手を出さず、魔王軍四天王漆黒のクログルを倒す為に首都向かう。

貴方達はどうする?」


シレオマ「同行させてください。」


オニバル「良いでしょう。」


エルダーリッチのデルガ侯爵、吸血鬼真祖のヴァンス伯爵が出現した。


ヴァンス「オニバル、残敵を掃討するぞ。」


オニバル「宜しく御願いします。」


ヴァンスは黒い霧となって、グール達に向かって飛んでいく。


黒い霧はグールとマミー達を包む。

黒い霧が晴れると魔物達は倒れていた。


デルガはゾンビ達の元に飛んでいく。

両手をゾンビ達に向ける。


デルガの禍々しい魔力が渦となりながらゾンビ達に降り注ぐ。


デルガは開いた両手を回しながら握る。


魔力の渦がデルガの両手に戻る。

ゾンビ達消滅していた。


シレオマは二人の魔力とその圧倒的な戦闘力を間近に見てゾッとした。


シレオマ「あの方達は?」


オニバル「樹海帝国の貴族です。

ゾンビ達を消滅させた人がデルガ侯爵様。

グール達を倒した人がヴァンス伯爵様です。」


シレオマ「凄い。格が全く違う。

樹海の皇帝様達も凄かったが、あの方々も底が全く見えない。

樹海帝国には想像を絶する者達が集まっているのだな。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

シルミル教国元教皇庁。


教皇「魔王様、地方の都市がシルミル教国の残党に奪還されました。」


ドルダーク「各都市には、デュラハーンとグール達もいたはずだが?」


ジョローニ「マミーとバンシーも加えて、罠にかけたのですが、樹海帝国の兵士達が現れて、倒されたようです。」


ドルダーク「我が出向くか。」


クログル「樹海の皇帝とその妻達は居なかったようですので、お待ちください。

魔王様には、樹海の皇帝を倒していただきたくお願い致します。」


ドルダーク「樹海の皇帝と妻達以外も強い奴等がいるのだな。」


ジョローニ「闇の王デルガがいたようです。」


ドルダーク「デルガ?」


ジョローニ「何百年も前に大陸を席巻したエルダーリッチです。」


ドルダーク「ほほう。それは戦うのが楽しみだ。樹海の皇帝を倒した後に是非とも戦いところだな。」

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