第268話 ヴァンダール国

夕飯はヴァンスが治めるヴァンダール国で食べる事になってる。


一泊もヴァンスの城。


ブラウニーのブラリリが昨日からヴァンスの料理長と一緒に料理を作っているらしい。


ちょっと楽しみだが、ヴァンスが毎日俺の城で食事をしてるので、どうなんだろう?不味いのか?


ヴァンスの城の食堂に入る。


レイ、グレイア、ウィーラ、ユイ、アンナ、ビーとアマゾネスのハーミアも一緒。


ハーミアはドキドキわくわくの表情だ。


ブラリリとヴァンスの料理長が出迎えた。


料理長は勿論吸血鬼。


太っちょ、金髪。

下がり目。青い瞳。

白い長袖のコックコート。


ヴァドン「はじめまして、ヴァンス伯爵の料理長ヴァドンです。


今宵はブラリリ様のお手を借りて、最高の料理を提供出来る事を確信しております。」


「皇帝ヒロトだ。宜しくね。」


ブラリリ「お疲れ様です。頑張りました。」


「ブラリリ、ご苦労様。」


ヴァンス「宜しくな。ワインは樹海産の物を出してくれ。」


ヴァドン「承知しました。ブラリリ様より最高のワインをいただいております。」


ヴァドンとブラリリは厨房に戻った。


メインはローストビーフと魔物の肉の煮込み。


イギリス料理っぽいのかな?


ローストビーフにはヨークシャー・プティングらしき物が添えてある。


ソースが美味しいね。グレイビーソースかな?


玉葱に肉汁、ワインのソース。


肉は魔牛だね。


ヴァンス「おお!旨い。この味だよ。」


ヴァドン「ヴァンス様、ブラリリ様に提供していただいた玉葱、ワイン、そして魔牛の肉、これらの素材は最高です。」


ヴァンス「う~ん。やっぱり素材か。」


ヴァドン「素材だけではありません。ブラリリ様の技術と発想。目から鱗が落ちました。」


ブラリリ「そんな~。」

照れてるブラリリ。


ヴァドン「ヴァンス様、出来れば樹海の城の調理場で修行させていただきたいのですが、可能でしょうか?」


ヴァンス「それはいいな。行く行くは俺の城の料理の技術も上がるな。陛下、ヴァドンを樹海の城の食堂で修行させる事は可能ですか?」


「いいよ、他にも修行している料理人は沢山いるし。」


ヴァドン「おお!有難う御座います。」


ハーミアは目を見開いて驚きの表情で、ローストビーフを食べている。


ハーミア「ヴァンス様最高です。このような肉は食べた事がありません。」


皆、大満足の夕食でした。


ハーミア「陛下、コン三苗さんびょう共工キョウコウを倒したのはヒロト様と聞きましたが本当でしょうか?」


「俺と言えば俺だけど、実際に倒したのはこの刀だよ。」


ハーミア「刀?」


「アマゾネスは強い男と契って、強い子孫を残す事を使命と考えているんでしょ。」


ハーミア「はい。」


「この刀は神刀と言う神をも斬れる、ムラマサと言う名前の魔物さ。

俺がテイムしている眷属の一人。

残念ながら刀とは契れないね。」


ムラマサ「ムラマサと申す。」


ハーミア「け、剣が喋った!」

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