第75話 死神
サクラが仲間に入り、賑やかさが増した。
みんなソファーに座ったり、ヒナがダンジョンポイントとの交換で出した椅子に座ってる。
ブラウニーのブラリリ、ブラルル、ブラロロが忙しそうに飛び回る。
本当に飛んでるよ。
ヒナ「サクラも異世界転移の時、白い部屋で神様に会ったの?」
サクラ「そうそう。かなり昔の話なので、よく覚えてないけど。
最初は苦労したなぁ。」
ヒナ「私もそう!苦労して危なかったところを、ヒロトに助けてもらったの!」
苦労してたのかい!
自業自得でしょ!
心で突っ込む。
勿論、口に出さないよ。
ヒナ「その機械は何?」
サクラ「魔道具よ。色々出来るけどお楽しみね。」
ヒナ「ふーん。その腕はどうしたの?」
サクラ「この左手は昔戦いで失ったの、不便だから作ったわ。今は生身の腕より便利よ。」
ヒナ「えー。そうなんだ~。」
サクラ「ヒロトのパイロットゴーグルいいわね。何か機能はあるのかしら。」
「これは、うちの魔道具担当のダークエルフに、作って貰ったんだ。魔力を流すとサングラスになる。サクラはもっと色々出来そうだね。期待しているよ。うちの担当のグラビスに後で教えてね。」
サクラ「了解。ヒロトはスチームパンク系好きでしょ。」
サクラは自分の服を指して言う。
「そうそう。好きだよ。サイバーパンク全般ね。ロークラウンのシルクハットにゴーグルを付けようと思ったんだけど。それに合う服も着ると目立っちゃうんだよね。」
サクラ「そうだねー。ヒロトは異世界でのんびり暮らす派なのかな。」
「うーん。特に考えてなかったな。のんびりでもいいんだけど。周りに流されて今の状況になった。基本、侵略は好きじゃないから自分から戦争をしていないつもりだけど。周りに敵が多い」
苦笑い。
サクラ「そっか。ここまで勢力が大きくなったら、目立っても大丈夫よ。不死王と精霊王が配下にいれば、それだけで異世界征服出来ちゃうぞ。まあ強敵はいっぱいいるけどね。」
「自ら征服に乗り出す事はあり得ないね。ただ、いつの間にか仲間が沢山出来て、守りたいものも増えたから、これからも戦争は続くだろうな。降りかかる火の粉は払わないとね。」
サクラ「うんうん。私も殺伐とした生活より、楽しい生活がいいけど。逃げてばっかりいるのも疲れるわ。」
「サクラのその左腕と箒はかっこいいね。この時代ではない技術でしょ?」
サクラ「そうだよ。ロストテクノロジー、前時代の技術よ。多分現在扱える者はとっても少ないわ、遺跡で発見されても王家の博物館に眠るだけよ。」
レイが急に立ち上がると、ソファー越しに俺の背中側から両手を回す。
「ん。」
レイが優しく微笑む。
どうした?まあいいか。
ルシー「3人目を呼びますが、宜しいでしょうか?」
「悪い悪い、話に夢中になっちゃった。」
「呼んでくれ。」
背中がゾッとした。
邪気?が部屋中渦巻いて、満ち溢れるてるようだ。
周りで喋っていた妻達も一瞬で静かになる。
デステル「もう来てるよ。」
俺の背中側から声がする。
振り向く。
レイの後ろに死神がいた。
「きゃああああああ。」
アリア、ヒナが叫ぶ。
サクラがヒナを『よしよし』してる。
アリアはハピに抱きついて震えてる。
アリア「なんなの!今日はこんなのばっかり。」
レイの精霊力が辺りを包み始める。
いつまでも呼ばれないから来ちゃたんだね。
ああ、だからレイがここに来たんだ。
レイが背中から抱いていてくれなかったら、俺も叫んでたかも。
「有難う。レイ」
レイは微笑んでいる。
黒いローブ。
顔は人間の頭蓋骨。
目は吸い込まれそうな深い闇。
手は二本。人間の骨。
足は無い。浮かんでいる。
右手に死神の大鎌、デスサイズ。
漆黒の棒に大きく長い鎌の刃。
デステル「人間種には邪気はきつかったかな?
すまん。邪気を押さえきれなかった。
俺は死神デステル。
死神は神ではない。
レイス、ゴースト等の魔物の最上位種。
闇魔法と即死のスキルを使える。
レイス、ゴースト、ファントム、リビングアーマー等を使役する。
ゴーストの中には、生前の人間の記憶を持ったものもいる。
当然善政を敷いた為政者もいる。
不死王はそれらのゴーストが、貴方の国に役に立つかも知れないと言っていた。
どうだい、使ってみるかい。」
ふむ、確かに有用かな、デステルも強そうで戦力になりそうだから、眷属にしておこうかな。
「眷属になってくれるか?」
デステル「いいとも。」
デステルを眷属にした。
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