第48話 エルフ軍VSオーク軍

スパ「ヒロト様!大凡おおよそ5万のオークの大軍が出現し、エルフの集落に向かっています。」


「えっ?どこから来たんだ。」

スパ「エルフの集落の北、トロルの集落から来ました。」

「トロルの集落か、南東のオークとは別の群れだね。」


トロルの集落はノーチェックだったな。

魔族の国から古龍の山脈を超えて来たのか、別に抜け道が有るのか?


「スパ、小蜘蛛をトロルの集落に送ってオーク軍のルートを調査してくれ。」

スパ「承知しました。」


「うちの出撃は保留だな。

いつでも出撃出来る体制にして、様子をみよう。」


しかし5万は多いな。


スパ「オーク軍は結界の魔道具を壊し始めました。

エルフの軍と交戦中です。

ここからは、小蜘蛛からの情報を念話で流します。」


魔道具を壊すオークにエルフの矢、精霊の魔法が乱れ飛ぶ。

魔道具を傷付けるが、破壊までには至らない。

オーク軍の中より一際ひときわ大きいオークが進み出る。

身体中の古傷。迫力のある顔立ち。

オークキングだな。

矢も精霊の魔法もオークキングを傷付けることが出来ない。

オークキングは大剣で魔道具を一刀両断した。


別の場所の映像に切り替わる。

別の小蜘蛛から送られた情報に替わったようだ。


スパは、大量の小蜘蛛から送られてくる情報を、瞬時に判断し最適な情報を流している。まるでコンピュータだね。


別のオークキングが斧で魔道具を叩き壊す。また別のオークキングが魔道具を拳で破壊。

合計8箇所の魔道具が破壊された。


オークキングが最低でも8人はいるんだな。

すると、大将はオークエンペラーか!


結界は解除されてオーク軍がエルフの集落にな雪崩込む。


オークキングより二回り大きいオークがいた。身長3m。黒鉄色の鎧。鉄仮面で顏は見えない。


仁王に似た憤怒表情、オーク顏の鉄仮面。鉄仮面より生えている額両脇の2本の角。立っているだけで底知れぬ迫力が窺える。


オークエンペラー!


音声が聞こえた。低音。太い大きな声。


オークエンペラー「女は捕縛、男は殺せ!蹂躙の時間だ!」


エルフは悲鳴をあげて逃げ惑う。


初老のエルフがオークエンペラーの前に立つ。

エルフ「オークごときが、この集落に入りただで済むと思うなよ!」

精霊の魔法で豪炎がオークエンペラーを襲う。


豪炎をものともせず、オークエンペラーは散歩しているように、無造作にエルフに近づき、ハエを叩くようにエルフを一刀両断した。


エルフA「もうダメだ!東の荒野を抜けて、精霊の森まで逃げるぞ!」

エルフB「いや、北西の妖精の集落に逃げたほうがいい。」


エルフは東と北西の二方向に別れて逃げて行く。


勝敗は決した。


魔族が樹海を攻める理由は戦力増強だ。眷属を増やす。経験値でレベルアップ。その戦力で人間の国に進撃するに違いない。


エルフの集落襲撃でレベルアップと苗床を作成。

俺なら次ぎは、・・・オークの集落で眷属を増やす。

5万でも大変だ。

これ以上増えたら・・・・。


「オク1、ドラゴンに乗って南東のオークの集落を周り、眷属化してこい!出来るだけ穏便に仲間にしたいが、時間はない。反対する集落は、・・・・・殲滅だ。」

フォレストリザードがドラゴンまで進化した者が何匹もいる。


オーク集落の次ぎは、周辺の種族を平らげながら戦力強化だろうな。

レベルアップと苗床作成。


籠城の準備だな。

この戦力差で野戦はあり得ない。

ヒナを仲間に出来て良かったよ。

ダンジョンは籠城に最適だ。

大人数で一度に攻めて来れない。

兵糧は尽きない。

罠は作り放題。

何年でも戦える。


「ヒナ、オク1が眷属化した集落を、ダンジョン化してくれ。

オーク軍が攻めてきたら、地下に逃げる。

地下の洞窟は2mより小さくする。

オークキング、オークエンペラーが入れない大きさ。

擦れ違いが出来ない広さで。

洞窟を進むとT字路、Y字路、↑字路にする。

進入してきた敵を左右から迎撃出来るようにしよう。

他の眷属の集落も同様にダンジョンを改造。籠城に備えよう。

この城も地下に移動だ。」


5万の大軍は周りのどの種族も対応出来ないだろうな。

ダークエルフと蛇王とは話をしよう。

他の種族にも声だけ掛けて置こうか。


(グラビス、ドラゴンに乗って獣人と小人の集落を周りオーク軍の侵略とエルフ軍の崩壊を連絡してくれ。


恐らく次ぎにオーク軍は各種族を襲う。その上で「俺の国の傘下に入れば助ける」と伝える。

声を掛けるだけでいい。

傘下に入らない種族には、うちの情報は教えない。

傘下に入った種族はダンジョン化で守る。傘下に入らない種族は無視。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

スパ「ヒロト様、蛇王軍、ダークエルフ軍が到着しました。」

「代表の人を、ダンジョン内の城まで案内してくれ。兵隊はダンジョンの休憩所で休憩してもらおう。」

スパ「承知しました。」


応接間で待っていると。

蛇王「婿殿!大変な事になってるな。」

「!?」

蛇王が直接来た。蛇王は人化の状態。


グレイア「ヒロト王、初めましてダークエルフの女王グレイアです。」

ダークエルフの女王も来た。


長い黒髪、黒目。浅黒い肌。

切れ長だけどギラギラした大きい目。

艶かしい姿態。黒とグレーのドレス風の鎧。

痩せていて長身。グラマラスなモデル体型。


「お二人とも遠い所を、態々わざわざお出でいただきありがとうございます。」


早速、オーク軍の状況説明を実施。


蛇王もグレイアもオーク軍の侵略は知っていた。


当面は籠城し被害を最小限にすること。その間に情報収集して反撃を待つ事を提案。

二人ともに了承して貰った。


というか、元々二人は仲良し。

情報交換も密にしていたらしい。


ダークエルフがゴブリンとの戦に、快く部隊を出したのは、事前に蛇王と話をしていたからだった。


蛇王「婿殿、儂もこの機会に婿殿の眷属になるぞ。」

不敵な笑み。


「え!本当ですか?蛇王の領地はどうするのですか?」

蛇王「本当だとも。もちろん婿殿の傘下にに入る。

そうそう、領地の運営は長女にさせるので手間は取らせんよ。

儂は前線で戦うよ。

儂もレベルアップと進化したいのだ。

そして将来・・・・竜王を倒す!」

蛇王はそう言うと、満面の笑みを浮かべた。


うはぁ。この人戦闘狂だったか~。


グレイア「私も眷属になりたいわ~。まあ無理でも傘下に入るわよ。

ダンジョンで守ってね。」

グレイアもニコッと笑う。


一気に領地が増えました。


さて、オーク軍どうしよっかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る