第147話 狩猟国家ハンテグ
事前に『闇の風』による会談の事前交渉をしているので、直接ケンタウロス族の族長が住む集落に向かう。
草原だ。ケンタウロスは遊牧民。
狩猟と鹿や羊の牧畜を
狩猟の獲物は極端に減り、牧畜も減っているが、
残った牧畜により生計を立てていた。
住まいはゲルと呼ばれる円形の大型のテント。
木組みの骨格に羊毛のフェルトを被せている。
草原を進むと百を越えるゲルの集落が見えてきた。
その中央に一際(ひときわ)大きいゲルが見える。
集落から数人のケンタウロスの衛兵が向かってきた。
俺達を見て驚いてる。
まあ、麒麟やヌエ、箒に乗ってる奴らと鳳凰がいたら驚くよね。
衛兵「樹海の王様の御一行ですね。」
「樹海の王ヒロトだ。」
衛兵「御待ちしておりました。族長のゲルにご案内致します。」
衛兵達に案内されて、族長のゲルに入る。
ケラノス「ようこそハンテグへ、族長のケラノスです。」
「樹海の王ヒロトだ。この度は樹海王国と連合軍の戦争に巻き込む形となり迷惑をかけた事をお詫びする。」
ハクの異次元収納からお詫びの品として物資や食糧を出して、ケラノスに渡す。
ケラノス「いやいや、有無を言わさず攻め込んでも良いところを、お詫びの品までいただき有難う御座います。
樹海の王のお供のもの達は、魔力などを隠しているようですが、魔眼がなくてもその実力は分かります。
この中の一人でも我々には太刀打ち出来ないでしょう。」
ケラノスは俺達をゆっくりと見回す。
俺はケラノスと向かい合い、マットの上に
後ろに麒麟のコボミ、ヌエのライゾウが人間と同じ大きさになり寝そべっていて、鳳凰のハピが150cmくらいの大きさになってその横に立っている。
「今後の事だが、我が国の傘下に入っていただきたい。
その場合、牧畜は今まで通りとして貰うが、牧畜の数が減少していると聞いているので補填しよう。
次に狩猟用としてここにダンジョンを構築する。
今まで以上に狩りが行えるはずだ。
また、我が国と交易を再開しよう。
そして貴国は商業国家トレセルに借金があるようなので、借金は我が国で肩替わりしよう。
その代わりと言うわけでも無いが、戦争中故に敵国とは一切の交流を禁止する。現在周辺の国や部族と取引していると思うが、敵国であればその一切の取引を禁止する。替わりに我が国がそれ以上の取引を行う。
どうだろうか?」
ケラノス「実は高圧的な態度で来られたら、我々にも意地はあるので、滅亡覚悟で一戦する事も考えていたのです。
しかし其処までの実力がありながら、尚、我々の国に格別の厚意をいただき、更に同格以上に扱っていただくとは思っても見ませんでした。
私も部族の長をしている身。
部族を幸せにしたいと思っています。
なので、樹海の王に従います。」
「それは良かった。
我が国の傘下に入ったことにより、他国から要らぬちょっかいを出されると迷惑なので、結界を張らせて貰うよ。」
ケラノス「有難う御座います。」
「他の傘下の国は兵士を我が国の軍に入れる事で、軍事費を経済政策に回しているが、狩猟国家の貴国はその必要が無いと考えている。
良いかな。」
ケラノス「仰る通りです。
狩猟隊がそのまま兵士になるので、樹海の王の軍に組み込まれると大変困ります。」
「分かった。
だが、いずれ連係の必要な時も有ろうと思うので、連係の確認や訓練は必要だ。後日我が軍の誰かを派遣する。
その辺りは相談してくれ。」
ケラノス「承知しました。」
「牧畜と牧場で共通することもあると思う。
うちの牧場の者が補填する牧畜を連れて来るので、情報交換してくれ。」
ケラノス「おお!それは楽しみです。」
「細かい話は宰相デレイスを後日派遣するので詰めてくれ。
今回は結界の設置とダンジョン構築は実施していこう。」
「サクラ、ケラノスに領地の範囲を聞いて結界の設置を頼む。」
サクラ「了解。」
「ヒナ、ダンジョン構築を頼む。」
ヒナ「はーい。」
こうして狩猟国家ハンテグが樹海王国の傘下に入った。
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