第156話 魔法国家ソルセル(その2)

魔法国家ソルセルに行く途中、盗賊が襲ってきた。


盗賊達にとっては不運だったね。


ダークハイエルフのグレイアに対応を任せた。


盗賊5人が弓を構えて馬車の前方に立っている。


その1歩前に立っている剣を持った男が叫んだ。


盗賊「止まれ!」


グレイアが馬車の中から消えた。


馬車は止まらない。


盗賊「ちっ、止まらないか。矢を射て!」


矢は発射されない。


1歩前にいた男は後ろを振り向く。


盗賊「どうした!」


弓を構えていた男達は黒い触手に絡み取られて身動きが出来ない。


男達の後ろにグレイア。


グレイアから尖った黒い触手が5本伸びる。


弓を構えた男達の額に触手が突き刺さる。


盗賊「ば、馬鹿な!」


動揺している男の後ろに馬車の地竜が迫る。


危機を感じた男が前方に目をやるが、遅かった。


地竜が盗賊を突き飛ばす。


グレイアの姿は消えていた。


馬車はそのまま進む。


グレイアが馬車の中に現れる。


スパも現れた。


スパ「左右にいた盗賊の伏兵は私とグレイアが片付けました。」


「有難う。グレイア、スパ。」


スパは満足そうな顔をしている。


グレイア「ヒロト様にいただいたスキルは凄いでしょう。」


「凄いね。一瞬で盗賊達を殲滅だ。」


グレイア「もう、負ける気がしないわ。」


スパ「最近、小国群では税金を払えず、村や町から追われて盗賊になっている人達が増えてます。」


「そうかぁ。可哀想な気もするが、盗賊になったのが悪かったな。」


馬車の中に死神デステルを召喚する。


デステルはひざまずく。


「デステル、スパと情報共有し、闇の風を使って小国群で税金が払えない人達を傭兵国家に受け入れる様にいざなってくれ。」


デステル「承知しました。」


「スパ、デステルに協力して、村や町から追われた人達をデステルに教えてくれ。

後は傭兵国家マナセルのパライドと宰相デレイズに避難民の受け入れをするように伝えてくれ。」


スパ「承知しました。」

スパは消えた。


俺はデステルを送還した。


馬車は進んでいる。

草原から森の道に入った。


グレイア「この辺りから魔法国家ソルセルよ。関所は無いの。ソルセルで有名な都市は2つ、首都ソルセルと学園都市ソルトク、ここからだと始めに学園都市ソルトク次に首都ソルセルの順になるわ。」


「その順番で良いよ。」


暫く進むと、山の上に西洋式の城の先端が見えてきた。


グレイア「あの山の上のお城が学園。その回りの城壁の中がソルトクよ。」


神眼で城を見る。最近覚えたスキル千里眼だ。


まだレベルが低いので、遠くの物が近くに見えるだけ。


「年期が入った城だね。」


グレイア「私が通ったずっと前からあるので、数百年は経っていると思うわ。」


山に近づくにつれ、都市の城壁が見えてきた。


古い石造りの城壁。

蔦が這っている。

戦争になったら登られるんじゃない?

と思ったら。


グレイア「城壁に蔦が有るけど登ることは出来ないわ。魔法植物の蔦なのよ。登ろうとしたら捕まるからね。」


「なるほどねぇ。」


馬車は門に着き、入市税を支払い中に入った。


石畳の両脇には、木造と石造りの建物が混在している。


人間が多いが、亜人もチラホラ。


鑑定で見ると亜人はハーフエルフが多い。


後は魔法使いっぽい服の人も多い。


流石魔法国家。


三角帽とローブ。色はカラフル。


黒が多いが、紫や白、グレイ・・・。


ピンクの三角帽とローブの人がいた。


グレイア「始めに宿をとろうかしら?」


ユイ「宿!いいねー。旅らしくなってきた。」


グレイア「私が知ってる宿に行きますね。」


「任せたよ。」


宿に着いた。

石造り3階建ての大きな宿。

1階は酒場とフロント。


グレイアとアスタロトは宿に馬車を預けて、人数分の部屋をとった。


1階の酒場にて食事をとりながら休憩。


「学園都市だから始めに学園に行くか?」


ヒナ「お店は覗きたいなー。」


ユイ「買い物!良いわねー。」


ヒナ「ピンクの帽子とローブ可愛いかったねー。」


「じゃあ、今日は買い物で明日学校に行こう。」


ヒナ、ユイ「「やったー。」」


サクラ「ヒナ、魔法屋で使い魔の契約しようか?」


ヒナ「え!やったー。」


ユイ「いいなー。私もしたいなー。」


サクラ「ヒナとユイなら出来ると思うわ。」


ハピ「鳥の使い魔なら協力するわ。」


コボミ「私も動物系なら任せて。」


グレイア「あの婆さんのところに行くの?」


サクラ「そうよ。あの婆さんの地下ならなんでも召喚出来るわ。

使い魔契約は何処でも出来るけど、折角なら強い使い魔の方が良いでしょう。」


ヒナ「あの婆さん?」


サクラ「行けば分かるよ。」


どんな婆さんだろう?

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