第16話 オーク

拠点に戻るとビー達キラービーの群れを見て、ヒナがビックリしていた。怖がっている。

ヒナ「蜂がいっぱい・・・。」


「じゃあ、新規加入のカマ1とビーは自己紹介してね。」

新規加入の眷属と留守番組の眷属達はそれぞれ自己紹介をした。

カマ1とビー達は拠点防衛組として、ダンジョンに常駐だな。

(ヒナ、ダンジョンの一部屋ひとへやをキラービー達に開放してね。蜜蜂が蜜を集めにダンジョンを出るので、入り口に近い方がいいかも、ビーと相談して決めてね。)

ヒナ「分かった。」

ビー(承知しました。)


(ごはんどうしよっか?)

ハク(大猪エリュマントスの肉しかないよ。)

(だよねー。)


ヒナは食事をダンジョンポイントで交換したコンビニのお弁当や宅配ピザで済ませていたそうで、調理器具は持ってなかった。


色々生活に必要なものが足りない。

調理器具の他にも食器やスプーン、フォーク、箸。

家具も欲しい。


ダンジョンポイントは拠点構築で必要になるから、使うのはぐっと我慢して、人間の町に行って買わないと・・・

そういえばお金がないな。


異世界転移や異世界転生の小説では、魔物の身体には魔石があってそれを売るくだりがあるので、倒した魔物の魔石や素材はとっているが、高く売れるといいな。


今回もまた、大猪エリュマントスの肉を皆で食べる。


夕食後はヒナのレベ上げだ。拠点防衛とDPゲットのため、眷属も増やすことにしよう。眷属が増えたから食料も狩らないとだ。


拠点防衛は、ダンジョンの3匹のゴブリン、エリュマントス3匹、アルミラージのアル、キラーマンテイスのカマ1、キラービー達に任せる。


コボミを除く4匹のコボルトは、レベ上げも兼ねて狩りに行って貰い食料をゲットだ。


スパの小蜘蛛達は人間の国を探す為に南を探索して貰う。

人間が生活するには水が必要だ。

川も探して貰って川沿いに下流を探索すると効率も良いだろう。


ビー(私もヒロト様に御一緒します。キラービークイーンはキング種の中でとても弱い種族です。ヒロト様のお陰で強くなれましたが、他のキング種の魔物と比べてまだまだ。もっとレベルを上げてヒロト様の戦力として戦いたいのです。)

(え!キラービー達はビーが居なくても大丈夫なの?)

ビー(大丈夫です。細々こまごま指示しなくてもやることは決まってますから。)

(そか。じゃあ同行をお願いするよ。)


ーーーーーーーーーーーーーーー


コボルトシーフに進化したコボミが先頭を歩き、音探知と匂い探知で探索しながら進む。

アイには魔力探知をしてもらいながら魔物を探す。


俺はドレイクのリザに乗って、マジックスライムのスラオがくらになる、右手に白蛇のハク、左手にアルラウネのレイと土蜘蛛のスパ、イビルアイのアイ。

俺の後ろに腰に手を回して吸血鬼のヒナが座ってる。

胸が背中に当たってるって。くっつきすぎだよ。


リザの頭に雷獣のライゾウ。

その上をキラービークイーンのビーがぶんぶん飛んでる。


ぶんぶん!って。


(ビー、はねの音で敵に見つかる可能性があるので、リザに乗っててね。)

ビー(あ!すいません。ヒロト様の後ろに乗せていただきます。)

ビーは、ヒナの後ろに乗った。

ヒナがビクッとして俺に更に抱き付く。


コボミ(右前方にゴブリンとオークが居ます。)

アイ(魔力、少ない、弱ってる。)


アイは右前方に飛んでいき鑑定情報を念話で連絡。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:なし

種族:ゴブリンリーダー

性別:♂

レベル:20

HP:3/195

MP:1/100

スキル:

 同族眷属化


名前:なし

種族:オークリーダー

性別:♂

レベル:20

HP:5/200

MP:1/100

スキル:

 同族眷属化

ーーーーーーーーーーーーーーーー


あれ?ゴブリンはゴブリンキングの眷属じゃないんだ。

(皆、眷属にするから攻撃しないでね。)


ゴブリンとオークの元に行く。


オークは猪の頭で身長190cmぐらい。

人間の成人男子よりちょっと大きめ。

茶色の体毛でに覆われている。

手足の形状は人間と変わらない。

斧を持っており、布の服をきていた。


オークを「テイム!」

<オークをテイムしました。>

オークが驚いてこっちを向いた。


ゴブリンがよろよろと構える。

ゴブリンも「テイム!」

<ゴブリンをテイムしました。>

ゴブリンもビックリした。


テイムした後、レイのハイヒールで回復。

MPをハクから配分した。


先ずオークを向いて。

(俺はヒロト、宜しく。君の名前はオク1にするね。)

オク1「承知しました。助けていただき有り難うございます。」

あれ、念話じゃないのに話せてるぞ。

あ!スキルの異世界言語か!


そしてゴブリンを向いて。

「君の名前はゴブ1にするね。宜しく。」

ゴブ1「承知しました。こちらこそ宜しくお願い致します。」


「オク1から、どうしたのか聞こうか。」

オク1「私は樹海南東部の集落から狩りをしに出てきました。ゴブリンの群れに急に襲われて危ないところを、・・・ゴブ1に助けて貰ったのですが、多勢に無勢、命辛々逃げてきたのです。」


ゴブ1「私は用事があって、樹海の外のゴブリン集落に行っていました。その後帰って来たら自分の集落は崩壊していました。原因を探っていたら、知らないゴブリン達に襲われて、必死に逃げて来たとき、知り合いのオク1がゴブリンに襲われているのを見て、無我夢中で助けようとしたのですが・・・。」


「なるほど、ゴブリンキングの群れに襲われた訳か。」

ゴブ1「ゴブリンキング!」


「恐らく今、樹海ではゴブリンキングが群れを形成していて、雄の魔物は殺してレベルアップをはかり、雌は集落に連れていき苗床にして、群れの強化をしてるんだろうね。アラクネクイーンの影もあるし、キナ臭いな。」


ゴブ1「そうだったのですか・・・。ゴブリンキングの群れと戦う際は、いち戦力として手伝わせて下さい。」

「今のところゴブリンキングと戦う予定はないけど、その時はお願いするよ。」

ゴブ1「承知しました。」


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