第187話 VS剣聖アバンニ
勇者タクミを救出するため、シルミル教国に来た俺達。
計画通りタクミを助けて、魔法使いシグライに化けていた魔族『闇のクロニス』を消滅させたルシー。
タクミに同行していたシレオマとシエットは、教皇が魔王軍の魔物と入れ替わっている事を聞き、思うところがあって戦意喪失。
ライゴーと剣聖アバンニは対峙していた。
ライゴー「アバンニ!武道大会のリベンジをさせて貰うぞ。」
アバンニ「貴様じゃ力不足だ!」
ライゴー「そうかな。」
ライゴーはにやっと笑う。
アバンニは大剣を上段に構え、ライゴーは右足を半歩前にだし半身で構える。
ライゴーは左腰に差してる日本刀の鯉口を切り、手を添える。
居合の構え。
堂に入っている。
修業の成果が現れてるね。
二人の周りは静けさに包まれる。
アバンニは刹那に踏み込む。
そして神速の切り落とし。
アバンニは武道大会の時より、かなり腕を上げていた。ライゴーを頭から左右に切り落とす。
しかし切り落とされたのはライゴーの残像。
ライゴーは更にその上をいく。
横に躱したライゴーは日本刀を抜刀しながらアバンニの斬り落としを避けていた。
横薙ぎの居合い斬り。
アバンニの身体は上下に切断された。
仲間達が後ろから歩いてきた。
ヒナ「こっちも終わったよ!」
俺はタクミに向かって聞いた。
「タクミ!これからどうする?」
ユイ「樹海帝国においでよ。」
タクミ「俺が異世界から召喚されたのは、魔王を倒す為だ。魔王を倒す旅に出るよ。」
シレオマ「ならば私も同行しよう。」
タクミ「断る! 全て聞いたぞ。あんたは俺が魔王を倒した後、俺を殺す役割なのだろう。さっきも俺を殺そうとした。全く信用出来ない。」
シレオマ「う・・・。」
「タクミ、一人じゃキツいだろう。餞別にお前が強くなるまで樹海帝国の兵士を護衛につけてやる。」
コボルトとスライムを召喚。
両者ともにジェネラルのランクだ。
コボルトは黒い軽鎧を装備。
喋れるし、そこそこ強いはず。
探索も出来るし、迷宮でレベ上げも可能だ。
コボルト「探索も出来ます。宜しくお願いします。」
スライムも喋れる。
魔法が使える。
回復魔法も使える。
スライム「攻撃魔法も回復魔法も出来るよ。宜しくー。」
最低限パーティで必要なスキルはこの2体で賄えるはず。
むしろ過剰戦力か?
タクミ「ヒロト、有難う。俺はお前の国で罪を犯して逃げた身だ。魔王を倒したら、罪を償いに樹海帝国に行くよ。」
「気にするな。厳しい旅になると思うが、頑張れ。」
シレオマ「・・・。」
「シレオマ、シエット、こんなところでぼさっとしてる暇はないぞ。シルミル教国の首都は魔王軍に乗っ取られた。反乱軍でも組織して対抗するんだな。」
シエット「え! 本当ですか?」
「本当だよ。魔王軍に捕まらないように、見てくればいいさ。健闘を祈るよ。」
じゃあ帰ろうか。
俺達はいつものリビングに転移した。
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