第188話 魔王軍の魔物達

シルミル教国、首都。


教皇が勇者召喚の間に転移魔方陣を準備した。


勇者召喚の間はこの大陸に少ない龍脈と繋がっている。


龍脈はこの星の地中を流れる魔力のルート。


魔力の流れが龍のように見えることから「龍脈」と呼ばれる。


その龍脈から魔力が噴き出すポイントの一つが召喚の間であり、魔法国家にある龍脈の魔女の店の地下である。


シルテスが入口から召喚の間に入ってきた。


シルテスは魔族の男に変わる。


シルテスは魔王軍四天王『漆黒のクログル』の仮の姿だった。


クログル「もう人間になりすます必要は無いでしょう。」


魔族は人間と変わらない。


肌の色が黒または紫、人間と同じ肌の色の者もいる。


角や尻尾が生えてる場合もあるが、その他の特徴は特に無い。


クログルは、黒い肌の細身の男。


優男。

そんな印象だが赤い瞳が目立つ。

黒いローブを羽織る。

ローブの中は詰襟黒革の軍服。

髪はローブに隠れて分からず。

角も見えない。

黒いブーツ、黒い手袋。


教皇「クログル様、転移魔方陣を準備しました。」


クログル「宜しい、魔力を流します。下がっていなさい。」


教皇「承知しました。」


教皇は下がり、クログルが魔方陣に魔力を流す。


魔方陣は淡く光る。

魔法陣より黒い霧の門が現れる。


クログル「出でよ!

魔王軍の戦士達よ!」


黒い霧の門より、魔王軍の魔物達が続々と現れ、召喚の魔の出口に向かう。


魔王軍魔物は召喚の間から教皇庁、教皇庁から街中へ進軍していく。


魔王軍の魔物は漆黒のクログルの配下だ。


デュラハーン。

首無しの騎士。

首無しの馬に跨る。

黒を基調とした重鎧。

大剣を持つ。

無類の怪力を誇る。


バンシー。

長い黒髪。緑色の服。

グレーのマント。

赤い目の嘆きの女性。

その泣き声は敵のステータスを下げ、

混乱を引き起こす。


グール。

死体を食べる亡者、屍食鬼。

鋭い爪、牙。人間の捕食者。

全てのステータスが人間を凌駕する。

紫の瞳。


ゾンビ。

生きる死体。痛覚が無い。

「火事場の馬鹿力」とよく言われるが、人間は潜在能力を解放すると、肉体が破壊される為、その肉体を破壊しないようリミッターが働く。


ゾンビはリミッターが無く。

その潜在能力を解放している為、自分の肉体を破壊しながら信じられない能力を発揮する。


腕が折れても、脚が折れても、腐っても、動きを止めない。

その上ゾンビに噛まれた人間はゾンビになる。


マミー。

包帯で身体を包んだミイラ男。

永久死体。怪力。

元から死んでいる為、切られても、刺されても動きを止めない。


そんな魔物達が、街中に溢れ出し、人間を襲い始めた。


首都の人間達は街の外に逃げ出す。


逃げ遅れた人達は魔物の餌食となった。

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