第296話 ハーミア(その4)

ハーミア「オーダンとタキーダを倒してモリーが南の王国を統一する手助けをして欲しい。」


アンナ「倒すって暗殺かしら?」


ハーミア「暗殺って言うと人聞きが悪いけど、兵達を殺さない前提だと、そうなるのですね。」


サクラ「多分オーダンとタキーダを暗殺してもNo2の人が跡を継ぐだけよ。何も変わらないでしょうね。」


ハーミア「じゃあ、どうすれば?」


「戦争して屈服させるしか無いでしょう。戦争をすると罪の無い兵士は大勢死ぬね。そして我々の仲間からも死ぬ者が出るだろうね。そこまでして、モリーを助けようとは思わんよ。そもそもモリーに肩入れする理由もないし。」


ハーミア「それなら何故、南の王国を偵察するのですか?」


「俺の領地に攻め込む可能性があるか見極めたいだけだよ。攻めて来ないなら放っておく。」


(サクラ、なんかこの子面倒になってきたな。)


サクラ(そうね。思い込んだらってタイプかもね。しかも属国から派遣されたただの案内役でしょ。皇帝陛下に意見するなんて失礼ね。)


(そう言えばそうだよね。)


「ハーミア、君がヴァルキリーの味方になって、モリーを助けたいと思うならそうすればいいさ。その時は眷属を解除するから自由にどうぞ。俺達は関わらないよ。多分アマゾネス国からも追放されるだろうね。」


ハーミア「え!なんでアマゾネス国も追放されるのですか?」


「ヒポリュテもアマゾネス国の国民の命を懸けてまでモリーを助ける理由が無いだろう。もし、アマゾネス国がモリーを助けるなら、ヒポリュテも眷属を解除して、樹海帝国の傘下から外れてもらう。」


ハーミアは難しい顔をして考えてる。


念話をヒポリュテに飛ばす。


(ヒポリュテ、ハーミアなんだけどモリーを助けて内戦に加わってくれって俺にお願いしてるんだけど、アマゾネス国の意志かな?)


ヒポリュテ(え!そんな事を言ってるのですか?信じられない。アマゾネス国も南の王国の内戦に関わる気はありません。)


(ノガートにヴァルキリーのスクルドが滞在していたのを見て、助けたくなったのかな?)


ヒポリュテ(ああ、それなら分かります。ヴァルキリーのファンですから。盲信してるのですね。)


(案内役としては不適格だね。案内役は行動をあるじに任せるべきだ。明らかに越権行為だよ。)


ヒポリュテ(すいません。その通りです。案内役を解きますのでアマゾネス国に送ってください。)


(うん。分かった。)


「ハーミア、なにか納得がいかないようだね。」


ハーミア「はい・・・。」


ハーミアは不満そうな顔。


「ハーミアは案内役なのを忘れてないかい?君は樹海帝国の幹部では無い。俺の行動に意見するのは越権行為だ。案内役を解く。そして眷属も解除してアマゾネス国に戻って貰う。」


ハーミア「え!そ、そんな。どうして、そこまで!」


サクラ「少なくとも皇帝陛下に対する態度では無いわね。陛下がお優しいのを良いことに明らかにただの知り合いに言う言葉になってるわ。」


ハク「そうね。皇帝陛下を何だと思ってるのかしら?知り合いのお兄さんじゃ無いわよ。」


ハーミア「はっ!申し訳御座いません。」


ハーミアは慌てて跪いた。


ハーミアの眷属を解除した。


ハーミア「あ、あぁ~。」


悲しそうな顔をして涙を浮かべる。


そして両手を床について頭を垂れる。


グレイア「私がアマゾネス国へ送るわ。」


「有難う。頼むよ。」


グレイアから闇の触手が伸びてハーミアを拘束した。


ハーミア「え!」


ハーミアは驚き怯えた。


グレイアはアマゾネス国に転移した。


「後味が良くなかったな。」


ハク「あら、お優しいのね。」


ヒナ「失礼な人は許さなくてもいいのよ。普通なら首切りよ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る