第260話 樹海帝国会議(その4)

「久しぶりの集合ご苦労様。


こうして集まって貰ったメンバーを見ると、実に様々な種族がいるね。


皆仲良くやっているのを知っているので、大変嬉しく思います。」


ハク「陛下は種族間差別や種族間の争いがない事を掲げています。


なので、理想的な国になっている事は大変喜ばしい事です。」


「会議に入る前に一つ報告がある。」


隣の人と話をしていた者も黙って此方をむく。


皆、注目している。


「え~。妻達が妊娠しました。


妊娠したのはハク、コボミ、リザ、ハピ、アリア、ヒナ、スパ、ルシー、サクラです。」


ハク「分かり易く言うとレイ以外ね。」


皆「おお!」


皆は驚き、祝福の言葉が飛び交った。


「さて、会議を始めますか。デレイズ、進行宜しく。」


デレイズは頷くと会議の開催を宣言した。


デレイズ「これより樹海帝国会議を開催致します。


始めに現状の確認。


私の方で状況を説明しますので補足事項があればお願いします。」


デレイズ「四罪しざいが出現しこれを討伐。


最後の四罪しざい共工キョウコウを倒した後、共工キョウコウ四凶しきょう窮奇キュウキに変化。


他の四罪しざい亡骸なきがらが消失しており、それぞれ四凶しきょう梼杌トウコツ饕餮トウテツ渾沌コントンに変化したものと思われます。


その後窮奇キュウキが樹海帝国北部に出現。


梼杌トウコツが樹海帝国東部に出現。


饕餮トウテツが樹海帝国西部に出現。


梼杌トウコツをライゾウ様が倒しました。


窮奇キュウキ饕餮トウテツは逃走。


渾沌コントンは未だ確認出来ておりません。」


デレイズ「補足等は何か御座いますか?」


リザルド「特に間違い等はないが、窮奇キュウキ饕餮トウテツ渾沌コントンは何処かにいるんだろう。


その対策はこれから話すのか?」


デレイズ「そうです。

陛下からお話をいただきます。」


リザルド「おう、ならいいが、饕餮トウテツは俺が倒したい。」


「倒せるかどうかは分からんが、饕餮トウテツ討伐時のメンバーは考慮しよう。」


リザルド「うむ。それで充分だ。」


スパ「補足します。」


リザルド「お、新情報か?」


スパ「渾沌コントンの行方は突き止めました。」


皆「おお!」


スパ「砂漠の南に小国群がありますが、その南の王国に出現していました。」


ヒポリュテ「王国かぁ。近いな。」


スパ「渾沌コントンは王国の王都を襲撃。

王族を皆殺し、王都に居座っています。」


ヒポリュテ「皆殺し!」


スパ「その為、王国内は混乱しており、地方の領主達が覇権を争っています。」


ヒポリュテ「なるほど、それで小国群も不穏な様子になっているのか。」


ヒナ「助けに行くの?」


「誰を?」


ヒナ「うーん。王国の人。」


「助けるつもりはない。


覇権を争っているのに加わる気はないし、王都の人達は可愛そうだけど、助けを求められた訳でもないから傍観だね。


仮に助けを求められても、積極的な支援はしないかな。


アマゾネスやヴァンスの国が攻められそうなら、勿論助けるよ。」


ヒポリュテ「有難う御座います。」


「取り敢えず、王国はスパに監視を続けて貰う。」


スパ「承知致しました。」

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