第283話 模擬戦(その2)

ハーミアの後ろに黒いフルプレートアーマーの戦士が立っていた。


憤怒の黒いオークの面を付けている。


その後ろには男女のライオンの獣人。


アンナ「オニバル将軍!どうなされました?」


現れたのは、アンデットナイトのオニバル将軍とライオンの獣人ライゴー副将軍、その妹ライオンの獣人ライカ。


オニバル「陛下が剣の訓練をすると聞いてな。」


ウィーラ「妾が念話で話したのじゃ。」


「え!俺は剣の訓練はしてないぞ。」


ウィーラ「しないのか?」


「そんなつもりはなかったよ。ハーミアが模擬戦をしたいと言ってたので、アンナに揉んでもらってた。」


ライゴー「陛下、それでは我々の模擬戦を見てもらって、アドバイスをいただくだけでもお願い出来ないでしょうか?」


「いいよ。ライゴーは腕をあげたかい?」


ライゴー「毎日オニバル将軍に鍛えていただいていますので、腕はあがっているはずです。」


「ふむ、ライカはどうだい?」


ライカ「私も毎日訓練はかかしてませんのでそれなりには。」


「ハーミア、紹介しよう。樹海帝国将軍のオニバルと副将軍のライゴー、その妹で樹海帝国軍のライカだ。」


ハーミア「アマゾネス国王女のハーミアです。」


「まず、ハーミアとライカから模擬戦をしてみようか。」


ライカ「はい。承知しました。」


ハーミア「分かりました。」


「オニバルがアドバイスをしなさい。」


オニバル「承知しました。」


ライカとハーミアが対峙する。


ハーミアはショートソードを中段に構える。


ライカは刀を抜き、180度回し峰打ちが出来るようにして腰に構えた。


ハーミア「構えないのか?」


ライカ「構えていますよ。いつでもどうぞ。」


ハーミア「舐めるな!」


ハーミアは素早く踏み込む。


先程の踏み込みより更に速くなった様だ。


そのまま、ショートソードをライカの胸に突き刺す。


ハーミア会心の突き。


ライカはちょっと身体を横にずらしただけ。


ハーミア会心の突きを余裕で紙一重に躱す。


そして抜刀!


ハーミアは突きの勢いでそのまま前につんのめる。


胸をしたたかに峰打ちでうち据えた。


返す刀で後ろから峰打ちで袈裟斬り。


ハーミアは前のめりに倒れる。

ショートソード、盾も手放している。


胸と背中を強く打たれて、呼吸するのもままならない。


両手を地につけ身体を起こすが、ゴホッと咳をすると血を吐く。


ハーミア「つ、強い・・・。」


レイが人化形態で俺の左に立って見ていた。


距離はあるがそのまま回復魔法をハーミアに飛ばす。

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