第91話 妖精族長老フェルリ(その2)
ホビダン「まっ、待って、ください。
ははは、は、話を聞いてください。
フェルリ!余計な事は言わないで話をしろ。
俺はもう帰るぞ!命がいくつあっても足りん。」
フェルリ「言いたいことは二つさ!」
「ふっ。話だけは聞いてやろう。」
フェルリ「一つ目、世界樹の葉、枝、雫を毎月買ってやる。妖精の里に持ってきな。これはエルフ族との古の約定、何人たりとも口出しさせんよ。」
「もう一つは何かね。」
フェルリ「ふん。エルフの里をエルフに返しな。この里は昔からエルフが住んでいた里さ、あとから来たよそ者はさっさと出ていくがいい。」
「うん、宣戦布告は確かに受け取った。」
フェルリ「殺ろうってのかい?」
「殺るって言ってるだろう!
その前にこちらの言い分も言っておく。
レイ!言ってやれ。」
レイが世界樹の化身として現れる。
神聖な精霊力が辺り一面に広がっていく。
レイ「私は精霊王のレイ、世界樹よ。私の身体は私のもの、私以外の誰のもでもない。約定?笑わせないで、私が寝ているのをいいことに勝手に身体から奪った。その償いをしてもらうわ。」
ホビダン「この精霊力は・・・、本物だ!」
フェルリは唖然としている。
レイ「ここがエルフの里だって?ふざけないで、ここは精霊の住まう世界樹の里!それをエルフと妖精が無理矢理奪ったのよ。忘れたとは言わせない、フェル嬢!あなたも27才の時に精霊狩りをしていたのを見ていましたよ!この場所は精霊のもの、よそ者は貴方達、精霊がこの場所を、と・り・も・ど・し・た・の・よ!」
フェルリ「フェル嬢・・・何で昔の呼び名を・・・私も忘れていたのに・・・・」
レイ「私は世界樹、全てを見て、全てを覚えています!
いいですか妖精族の長老よ、そして小人族の長老!私達精霊はエルフによって、長い間不当な奴隷以下の契約を強いられて来ました。私達は不当な契約から全ての精霊を解放するために、樹海の王ヒロトにお願いし一緒にエルフを討伐する事を誓いました。その邪魔をする種族は殲滅します。」
コボ1「我々の兄弟はゴブリンからエルフを助け、エルフの里に届ける途中で、コボルトだからという理由でエルフに殺された!我々コボルトはエルフをエルフだからという理由で討伐する。邪魔をするものは敵だ。」
「俺達の言い分を聞いたか!どちらが正しいか明確だ!小人族の長老よまだ妖精族の味方をすると言うなら、いまから敵となるがどうする?
そして妖精族の長老!エルフを匿っている妖精族は敵であることは明白!今から妖精族を殲滅しエルフを討伐する!そして全ての精霊を解放するのだ!」
ホビダン「我々小人族は妖精族の味方はしない!事を誓う!」
フェルリは慌てて呪文を唱え始める。
俺は懐の水晶玉をフェルリに投げた。
水晶玉は直径15cm程度、身長10cmの妖精を吸い込み宙に浮かんでる。
フェルリが唱えた呪文の魔方陣は瞬時にかき消えた。
フェルリは水晶玉を中からドンドン叩く。
フェルリ「なんじゃこれは!だすのじゃ!魔法も使えん。
儂にこんなことをして只ですむと思うなよ、深淵の魔女様が承知しないぞ!」
「ん?サクラ、こんなこと言ってるけど?」
サクラ「私が深淵の魔女サクラよ。妖精の顔は小さくてよく分からないわ。私はヒロトの妻よ。承知しないわけないでしょ。」
「ん?しないわけないってどっち?」
サクラ「あーもう。夫の味方に決まってるわ!
だいたいこの水晶玉の妖精ホイホイは私が作った魔道具よ。
そして私が敵になったって事は、私が作って貴方達妖精に貸した魔道具は全て使用不可にするからね。勿論結界の魔道具もよ。」
「え!妖精の結界ってサクラの魔道具だったの?」
サクラ「そうよ、妖精があんなに強力な結界張れるわけないでしょ」
ヒナ「念話で
「そうだっけ?うん。確かにそんな事も言ってたような気もしてきた。」
苦笑いだ。
フェルリ「え!深淵の魔女。サ・ク・ラ・様・・・」
ルシー「因みに私は不死王、ヒロトの妻だから私も夫の味方よ。」
フェルリ「精霊王、深淵の魔女、不死王・・・。」
フェルリは呆然としている。
ホビダン「ほっ。敵にならなくてよかった。」
「さあ!妖精族を殲滅後エルフを討伐し精霊を解放するぞ!」
みんな「おー!」
「ところでホビダンさんこれからみんなで出撃するので、集落に帰ってね。」
ホビダン「はい・・・。」
蛇王リザルト「え!今から出撃?儂も行く行く。」
デルガ「私もご一緒しましょう。」
デステル「当然私もお供します。」
アスタロト「密かに私も、いつも一緒です。」
「君達!締まらないでしょ。『おー!』で終わりたかったのに。」
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