第92話 VS妖精族(その1)

俺達は飛んで妖精族の集落に向かう。

飛べないのはスパだけ、リザの背中に乗ってる。

スパは諜報部隊だから飛べた方がいいよな。


念話でアイに頼もう。

(アイ、スパに眷属を一人つけて。)

アイ(承知しました。)


(スパ、飛べないと不便だろうからアイの眷属を一人つけるから、憑依して貰いな。飛行のスキルで飛べるよ。)

スパ(おお、有難う御座います。助かります。)

アイは眷属を一人召喚した。

魔眼だ。

イビルアイと同じ形態で瞳が赤い。

蝙蝠の翼がついててスパの目の前を飛んでいる。

そして魔眼がスパに憑依。

スパの左目が俺と同じで赤くなる。

スパは魔眼のスキルで飛び始めた。


サクラは箒に乗って飛んでる。

箒の先端は大砲の穴に見える。

只の大砲じゃないよな、きっと波◼砲になってるはずだ。転移者だし。

その隣を俺が飛行している。


サクラ「妖精族と戦うとは思わなかったなぁ。」

「妖精族を助けていたみたいだね。」

サクラ「うん、素材を取りに行くのがめんどくて、素材を集めて貰ってたわ。」

「そっかー。」

サクラ「大丈夫よ、

思い入れはないわ。

虫と一緒よ。

妖精ホイホイも作ったし。

あんなに口が悪いとは思わなかった。

ヒロトに酷い言い方だったわ。」

「こいつな。」

左手に持った妖精ホイホイ。

入っているフェルリを見る。

体育座りで俯いている。

多分泣いてる。


謁見の間にいて同行しなかった仲間はアキートだけ。

後は全員同行してる。


サクラ「さて、そろそろ集落よ。

妖精に貸してる魔道具の動力は全てSTOPします。」

空に見えていたドーム状の透明な結界が無くなった。


サクラ「あそこが始めの集落よ。」

「割りと小さいね。」

サクラ「妖精は小さいからね。」

サクラはアイテムボックスから大きい妖精ホイホイを出す。


サイズの大きいロボット掃除機。

円柱。高さ20cm、直径100cm。

下部は黒いが側面と上部は透明。

んー。UFOか?

音もなくゆっくり回転しながら飛んでいく。

集落と言うより巣だな。


巣から妖精達がわらわらと出てくる。

妖精ホイホイがそれを吸い込んでいく。

転移させてるらしいが、

ロボット掃除機をイメージしてしまったので、どうしても吸い込んでいるように見える。


巣の上で妖精ホイホイが浮いている。

サクラ「もう妖精はいない見たいね。」

巣を丸ごとハクが異次元に収納する。

所要時間5分。これって戦争か?

害虫駆除にしか見えないな。


蛇王リザルト「いつ戦いが始まるのかね。」

いつの間にかリザルトが同行している。


妖精族長老フェルリは悲しい顔をしている・・・ように見える。

顔は小さいので、表情は分かり難い。


サクラ「妖精ホイホイは50個用意したの、全て自動運転させるわ。」

49個のロボット掃除機型妖精ホイホイが空中に現れる。

サクラ「GO!」

50個の妖精ホイホイが飛んでいく。


「深淵の樹海は全てダンジョン化したんだよね。」

サクラ「そだよ。世界樹凄過ぎ!DPはまだまだあるよ。」


「妖精ホイホイの結果はスパに見てて貰って。

集落はダンジョンで何処かに纏めて移動しちゃおう。

ヒナに監視してて貰って、妖精がいなくなった集落を移動だ。

スパ、ヒナにも伝えておいて。」

スパ「承知しました。」


サクラ「さて、妖精は放っておいて、エルフね。」

「うむ。行くぜ。」

サクラ「エルフは、長老の集落にいるわ。妖精族の中で最大の集落よ。」

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