第386話 VS渾沌(その1)

近衛隊達「オーダン様!」


近衛隊の戦士達はスクルドの戦闘を放棄しオーダンに駆け寄る。


オーダンの側近で一緒に逃げようとしていた者がオーダンの死体を確認すると突然笑いだした。


男「はっはっはっは。オーダンは死んだ。流石だ。ヴァルキリー達よ。そろそろ頃合いか。」


男の身体から闇が溢れ出す。


影が人間から魔物に変わっていった。


一気に拡散する闇。そして神力。


闇が晴れると現れたのは渾沌コントン



渾沌コントン

長い毛に覆われた身体。足が4本、2本の前足と2本の後ろ足。尻尾があり、尻尾も長い毛でおおわれている。体毛は月白げっぱく色。顔はあるが、目、耳、鼻、口の7孔は黒い穴。2対4枚の翼。


スクルドが叫ぶ。


スクルド「渾沌コントン!」


ヒルドの『小銃ライフル』が火を吹く。


渾沌コントンに銃弾が炸裂するが、長い毛に衝撃が吸収されて、下に銃弾が落ちるだけ、傷ひとつつかない。


ヒルドは何発も銃弾を発射する。


弾が切れるまで・・・。


渾沌コントンは無言でスクルドの方に顔を向けるが、目の箇所にある黒く深い闇の孔は見えているのか分からない。


勇者ハーミアは悪魔キマリスであるオニバル将軍が倒した。


死んではいないけどね。


そしてオーダン侯爵はヴァルキリーのヒルドが狙撃した。


オーダン侯爵軍対樹海帝国軍の戦争が終わったと思ったその時・・・。


渾沌コントンが現れた。


ヒルドの古代兵器『小銃ライフル』による狙撃は通じない。


渾沌コントンが現れたか!

不味い回りには樹海帝国軍がいる。」


俺は念話で戦場のにいる眷属達に慌てて指示を飛ばす。


(緊急事態だオーダンはヴァルキリー達が倒したが、渾沌コントンが出現した!全員退却だ!オニバルとバズは渾沌コントンを抑えろ!)


マシラン将軍は指示を聞くと即時に樹海帝国軍に撤退を叫ぶ。


ヴァンスも吸血鬼達に撤退を指示。

精霊達も慌てて撤退を開始した。



だが時既に遅し・・・。


始めに樹海帝国軍に蹂躙され成す術が無く逃げ惑っていたオーダン軍の兵士が・・・、狂った。


敵味方構わず殺し合いを始めた。


そしてマシラン率いる樹海帝国軍と魔法兵団。


マシランの撤退の指令に最速で従った者達は難を逃れたが、躊躇した者達は混乱した。


オーダン軍同様に周りの者達で殺し合いを始めた。


ヴァンスの眷属達、精霊達はまだ即座に撤退したのだが、中で撤退するのが遅かった者は殺し合いに加わった。


そしてヴァルキリー達。


レベルが高いスクルド、ヒルド、スコグル、フリスト以外のヴァルキリーは混乱して戦いに加わる。


スクルド達4人も正気を保つのが難しく思考は混乱し始める自分に驚愕し慌てて撤退する。


スクルド「しまった!混乱に巻き込まれる、逃げるぞ!」


周りは地獄の様な状態。


まさしく・・・悪夢。

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