第387話 VS渾沌(その2)

勇者ハーミアは何が起こったのか分からず茫然自失。


今まで一緒に戦っていた仲間であるオーダン軍と敵対していた樹海帝国軍の兵士達が自分以外は全員敵であるかの様に殺し合いをする様を眺めていた。


時折自分に向かってくる攻撃を折れた聖剣で無意識に受け流す。


それで精一杯。


聖剣を斬り払い、自分を蹴り飛ばしたらオニバル将軍と爪を突き刺した魔神パズズのバズは自分(勇者ハーミア)を無視し何やら禍々しい神気が放たれる方向に進んでいく。


ハーミア「オニバル将軍!何処に行く!」


オニバル「渾沌コントンが出現した。」


バズ「渾沌コントンおさえに行く。」


オニバル「渾沌コントンはオーダン軍に潜んでいた。」


ハーミア「私も行く!」


バズ「止めておけ。勇者ごときに亜神は止められん。」


オニバル「悪魔の俺と魔神のバズに任せておけ。」


そこに逃走中のスクルド達が来た。


スクルド「オニバル将軍!この先に渾沌コントンが現れた。」


オニバル「知ってる。俺達に任せろ。」


ヒルド「ハーミア!意識はあるか?」


ハーミア「正気だ。」


ヒルド「今のうちに逃げろ、狂気に巻き込まれるぞ。」


ハーミア「正義は退かない!」


スコグル「そうか。強制はしない。正気が保たれないと思ったら即座に逃げろ。我々はもう限界だ。」


スクルド達はそう言い残すと飛び立つ。


渾沌コントンから出来るだけ早く遠くに逃げる。


オーダン侯爵軍が樹海帝国のステラド地域に侵攻。


樹海帝国軍はヴァルキリー達の助けも借りてオーダン侯爵を倒した。


その時、渾沌コントンが戦場に出現。


戦場は混乱の坩堝と化した。


狂気にとらわれた兵士達が敵味方を問わず周りの者達と殺し合う。


正気を保つ者は戦場を後にする。


吸血鬼真祖のヴァンス伯爵は舌打ちをする。


ヴァンス「撤退が遅れた眷属達が狂いやがった。


クソっ。狂った眷属達も含めて全員送還する。


ヴァールとヴァイラは送還後、狂った眷属達を制圧してくれ!」


ヴァール、ヴァイラ「承知しました。」


ヴァンス「送還!」


戦場から一瞬で吸血鬼達は姿を消した。


ヴァンス「渾沌コントンの野郎。俺の眷属達で遊びやがって!只じゃ置かないぞ。今の種族では亜神を殺せない。吸血鬼の身体に名残は惜しいがしょうがない。進化だ!」


ヴァンスは闇に変わる。


邪気が辺りに漂う。


闇は悪魔を形どる。


ヴァンスは悪魔ベリトに進化した。


悪魔ベリト。

真紅の礼装に身を包む。2対4枚のドラゴンの翼。赤いスレイプニルに股がる。


ヴァンス「渾沌コントンを殺しに行くぞ!」

赤いスレイプニルは飛翔した。

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