第95話 ガーゴイル(その1)

数日後。


朝、朝食は城の食堂でいつものバイキング。

プレートを持って、お皿を取って回る。今日の主食はパンにしよう。

フレンチトーストだ。

御飯も良いけどパンもいい。

野菜サラダ、ベーコンエッグを取り。

ヨーグルト、フルーツも取り。

飲み物はカフェオレ。

う、プレートいっぱいだ。


落とさないようにテーブルに持っていく。

右にハク、左にレイの間に座る。

この並びが定位置。

この並びじゃないとしっくりこない。


向かいに今日はサクラとアリア。

アリアの上にライゾウが浮いてる。

サクラの足元に黒猫のミサキがいる。


そういえば久しぶりにミサキを見た。

ミサキを見ている俺に気づいて、

サクラ「ミサキはね。たまにお使いに出すから、久しぶりでしょ。」

「お使いにだすのかー。」

サクラ「そそ。」


サクラとアリアは御飯を選んでいた。

納豆、目玉焼き、味噌汁。

御新香、味付海苔。

アリアも納豆って染まってきたなぁ。


味噌、醤油、納豆、豆腐。

最近大豆の加工品も作成している。

その他の食品加工の工場もダンジョン内に作成した。


スケルトン達が日夜淡々と作成していく。24時間フル稼働。究極のブラック工場。アンデットならではだ。


サクラが加入してから、日本食が更に充実した気がする。

但し、味噌、醤油、納豆、豆腐は好き嫌いがあり、

この世界ではそれほど売れてないらしい。うーん。異世界小説では、日本食がバカ売れなんだけどね。

こればっかりはしょうがない。


ハクは謎肉のステーキ!朝からかい!

謎肉の正体は牛肉だけど、

牛がダンジョンで魔物化して魔牛になったらしい。和牛じゃないよ。

魔牛。魔牛のステーキ。


魔素が入って、和牛より美味しくなった。今や魔牛、魔豚、魔羊、魔鶏の肉は樹海の売れ筋だ。

樹海の外のどこの国のどこの町でも村でも引っ張りだこ。

この肉を使用しているレストランは行列ができる。


ダンジョン牧場の製品も大人気だ。

バター、チーズ、ヨーグルト、ハム、

ソーセージの加工品もスケルトン工場で作っている。

魔牛、魔豚を使用していてこれも美味しい。


だけど、レイは水を飲んでる。

分身体だから水も飲まなくてもいいのかもね。

水だけならリビングで待っててもいいのに、食堂には必ず同行して俺の左に座るのだ。


「サクラの造った狛犬型ガーゴイルと

狐型ガーゴイルを見てみたいので

今日はガル村にいくか?」


アリア「私も行く。

もうガリア町の出向は終わりでいいでしょ。

宰相としてヴァルトが入ったし、

使用人も雇ったからする事ないよ。」

「そうだね。戻っておいで。」


アリア「やったー。

念話でコボ5にいっておくね。」

ライゾウ「俺も戻るぞ。」

「いいよ。戻っておいで。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、ガル村。


同行者は、

右手ハク、左手レイ、左目アイ、

身体にスラオ、腰にムラマサ。

リザ、アリア、サクラ。

多分スパとコボミは隠蔽で同行。


ヒナが息を切らせて追いかけて来た。

ヒナ「はあはあはあ。待ってよー。

置いてかないでー。一声掛けてよ。」

サクラ「お寝坊さん、おはよ。

まだ寝てると思った。ごめんね。」

ヒナ「おはよー。許す。寝てたし。」


村に行くと、

狛犬が村の入口の両脇の台の上に座っていた。


向かって右側は獅子の像。

口を開いている『阿形あぎょう』。

頭に角が無い。


向かって左側は狛犬の像。

口を閉じている『吽形うんぎょう』。

頭に1本の角がある。


阿形あぎょう吽形うんぎょうも石造り。

獅子舞の獅子のように太い眉。

大きい目。大きい鼻。大きい口。

口の中には鋭い牙が見える。

頭の毛の先が丸くカールし渦を巻いている。

後ろ足を曲げて座っていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る