第26話 ゴブリンの群れ殲滅後

ゴブリンの群れを殲滅し、ゴブリンンジェネラルを倒した。

眷属達は無事だった。一人も死んだ者はいない。

村民達も皆無事だ。

良かったよ。


戦いに参加した村民はホッとしていると同時に、100匹を越えるゴブリンと戦って、一人も死人も怪我人もいないことに、驚きを隠せないようだ。


怪我した人はいっぱいいるんだけどね。

戦いの最中興奮してて、アドレナリンが出て痛みをあまり感じないところに、レイのエリアヒールで回復したから、自分が怪我した事さえ覚えていない者も多いのだろう。


アイが吸収したMPをスラオ、ライゾウ、コボ5、そしてレイに割り振ったので、ほぼ無限に魔法を連射出来た。回復も何度も出来た事が大きい。


また、一緒に戦い、危ないところを助けてくれたオークのオク1、ゴブリンのゴブ1、コボルト達の人形ひとがたの魔物と親交を深めたようだ。


まずは、魔石を集めるか。

後は死体を一ヶ所に集めないとな。

処分または異次元収納しないと魔物が集まってしまう。

武器と防具も眷属達に必要か。

念話で眷属に呼び掛け、死体を一ヶ所に集めると同時に魔石を取りだし、使える武器や防具も分けるように指示した。


キラービー達は数が多い事と飛べるので、運搬に活躍している。

オク1、ゴブ1、コボ1~コボ5の人形の魔物とスラオは魔石の取り出しをしている。村民達も魔石の取り出しを手伝っていた。


俺は人化しているハクを右手にレイを左手に、両手に花の状態で村長のもとへ歩いて行く。


村長フルアの隣に商人のアキートがいた。


フルア「村を助けていただき有難う御座いました。」

アキート「ご苦労様。お陰でガル村存亡の危機を乗り切れたよ。有難う。ところで隣の美しい彼女達もヒロト様の眷属ですか?」

「そうです。」

ハク「ハクです。」

レイ「レイ、です。」

アキート「アキートです。この度はヒロト様に助けていただきました。後程、勝利のお祝いに食事をご馳走させてください。」

レイ「はい。」

ハク「はい。有難う御座います。」

あれ?いつの間にか『ヒロトさん』が『ヒロト様』になってるぞ。


ヒナが駈けてきた。ガスマスクは外している。

ヒナ「私も食事たべたい!」

「ヒナ、挨拶が先だ。」

ヒナ「あ、ごめんなさい。ヒナです。」

アキート「アキートです。可愛いお嬢さんも一緒に食事を食べましょう。」

ヒナ「やったー。」


「ところで、村長さん、取り出した魔石は貰って良いのかな?」

フルア「勿論です。殆どのゴブリンはヒロト様の眷属が倒していますし、ゴブリンジェネラルもヒロト様が倒しました。文句を言う者はいないでしょう。村が助かっただけで、私達は十分です。」


「有難う。武器や防具も貰いますね。」

フルア「どうぞどうぞ。」


「今回の戦いの我々のことは他言無用でお願いします。」

フルア「出来るだけ期待に沿いたいのですが・・・。」


?」

アキート「ヒロト様、それは無理だ。領主から問われれば答えざるを得ない。答えないと死罪になる。」


「ならば、魔物使いが魔物を連れてゴブリンを倒した程度で、俺達のスキルや仲間の種族は秘密にして欲しい。眷属もキラービーを連れていた程度にして欲しい。」

フルア「それぐらいなら、秘密は守ります。」


アキート「ヒロト様、今回手に入れた魔石は、ガリア町に行ったら売ってください。」

「了解です。ガリア町に持っていきますので買ってください。」

アキート「特にゴブリンジェネラルの魔石は是非とも売って欲しい。滅多に手に入らない、大変貴重な魔石です。高く買い取ります。」

「いいですよ。宜しくお願いします。」


魔石、死体、武器や防具はハクの異世界に収納した。

それを見てアキート、村長のフルア、村民達は驚愕している。

異世界収納については他言無用の念を押した。


昼食を食べる暇もなく戦っていたので、お腹が空いた。

一部の仲間を残し仲間達を送還して、残した仲間と宿屋で食事を取る事にした。


食事のメンバーは、俺、ハク、レイ、ヒナ、アリア、レイク。

ハクとレイは人間の形態。


村に戻ると宿屋の1階の食堂で夕食を食べるらしい。


アリアとレイクは食堂で待っていた。

アリアが俺に抱きついてきた。


アリア「有難う。怪我は無かった?ゴブリンジェネラルと戦った時はとても心配したの。」

「有難う。怪我はないよ。」


アリア「その目はどうしたの?」

ああ、アイが憑依したままでオッドアイになってたのか。

すっかり忘れてたよ。

「これはスキルの一つで秘密です。」

アリア「そうですか。」


ヒナがアリアの肩をトントンと叩く。

アリアがヒナの方を向く。


ヒナ「こんばんわー。ヒナです。宜しく。」

アリア「え!アリアです。」

アリアは慌てて周りを見渡す。

俺以外目に入って無かったんだろうね。

驚いてるよ。


俺の右にいたハクが挨拶。

ハク「ハクです。宜しくね。」


ハクはニッコリ微笑む。

ちょっと怖いぞ。


左のレイも挨拶。

レイ「私、レイ。」


修羅場かぁっと一瞬思ったけど、付き合ってる訳でもないし、眷属だし、なんにも起こりませんでした。アリアが俺に好意を持ってくれている事は分かってるけど、会ったばっかりだしね。多分ゴブリンに襲われているところを助けたので、吊り橋効果って奴ですかね。

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