第424話 VS蚩尤(その11)

蚩尤しゆう

巨大な人形ひとがたの獣身。金剛不懐の頭と額。牛の頭。牛の角。四つの目。六つの腕。鳥のひずめ。鉤爪。六つの腕には剣・ぼうげき酋矛しゅうぼう夷矛いぼうを持つ。


はピッケル状の長柄武器。


ぼうは両刃の剣上の穂先の槍。


げきぼうの横にに似た刃がある。


酋矛しゅうぼうは長いぼう


夷矛いぼう酋矛しゅうぼうより更に長いぼう


蚩尤しゆうの後ろに夸父こほ雷公ライゴン電母レイジーが立つ。


蚩尤しゆうぼうを一閃。


風伯と退治するライゾウを薙ぎ払い切り飛ばす。


風伯「蚩尤しゆう様、有難う御座います。」


ライゾウは切られた身体を再生させた。


ライゾウ「クッ、やっと敵の大将が出てきたな。」


蚩尤しゆうは更に一瞬で、雨師と対峙するアンナの目の前に転移し、夷矛いぼうの石突きでアンナを突き飛ばす。


アンナは転移し俺の横に並んだ。


雨師「蚩尤しゆう様!」


ヴァンスが『キラーインフェルノ』を蚩尤しゆうに放つ。


蚩尤しゆうげきで斬り払った。


『キラーインフェルノ』が飛散する。


蚩尤しゆう「さて、折角ここまで来て貰ったので、お土産をあげようか。風伯、雨師、例の魔法を放て。」


雨師が右手から流れる神気が混じった水で魔方陣を描くと、風伯がその上に神気が混じった風を送る。


魔方陣から神気を含んだ灰色の霧が立ち込めた。


灰色の霧が辺りに広がった。

周りが見えなくなった。


「何だこれ?」


ユイから念話が入る。


ユイ(この霧、危険です。周りが見えないし、魔力探知も効かない。全般的に魔力の効きも悪くなっているみたい。)


(風魔法で飛ばせないの?)


ユイ(風魔法でも動きません。)


スクルド達、ヴァルキリーからも念話が入る。


攻撃を受けているらしい。


こちらからは見えないが、敵からこちらの動きが見える様だ。


「スラオ、暴食のスキルで、この霧を吸い込めないか?」


スラオ「無理でした。」


むむ。そうか。


全員に念話で状況確認する。


唯一抵抗できたのはライゾウぐらい。


相手が霧の中、急に現れても光の速度で瞬間的に対処している様だ。


他のメンバーは多かれ少なかれ、敵の攻撃で傷を負った。


取敢えず送還しよう。


念話で皆に撤退の連絡。


レイが念話で『私の本体がある世界樹の前に送還した方が良いです。』と言うので、世界樹前に送還した。


その時、蚩尤しゆうぼうが灰色の霧を突き抜け飛んできた。


スラオが瞬間的にぼうを受け流す。


しかし、咄嗟の防御で完全には流しきれず、心臓に目掛けて飛んできたぼうは、左肩を突き抜けた。


「痛!」


右手で左肩を押さえる。


レイがすかさず回復魔法を放ち回復するが、蚩尤しゆう達の攻撃は止まらない。


雷公の雷撃が、雨師の水流が、風伯の風刃が俺を襲う。


スラオが辛うじて防ぐが、スラオも俺も傷ついていく。


都度レイの回復魔法が俺を包む。

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