第383話 VSハーミア(その3)

「シレオマ、急で悪いが勇者について教えてくれ。お前はシルミル教国で召喚した勇者の魔王退治に同行して、勇者が魔王を倒したら、勇者を殺す役割だったんだろ?」


シレオマ「そうです、私が勇者に止めを刺す役割でした。」


「勇者をどうやって殺す予定だった?

当然魔王討伐した勇者は覚醒してるよな?」


シレオマ「覚醒した勇者を殺す想定でした。勇者は魔王や魔族等の闇系の種族、職業、人種に特効があるんです。覚醒するとその殆どに耐性も出来るのでよっぽど強力な攻撃で無いと効きません。しかし聖属性や神の力は普通に効くのです。ですから聖騎士の私が止めを刺す予定でした。しかし普通には倒せないので、魔王と戦って疲弊したところを狙うのです。」


「なるほど、そうすると今の勇者ハーミアをシレオマでは殺せない訳か。

疲弊してる状態では無いからね。

それならば、悪魔キマリスのオニバルよりは、魔神パズズのバズの方が相性は良いか?」


シレオマ「いや、悪魔は魔王より格が上ですから、遅れをとる事は無いと思いますよ。オニバル将軍が負ける事はどう考えてもイメージ出来ません。魔神はちょっと分かりません。」


「そうだよな。俺もオニバルが負けるのはイメージ出来んな。取り敢えず二人にハーミアの元に向かって貰おう。スクルドでは荷が重そうだ。」


オニバルとバズに念話を飛ばす。


(オニバルとバズ、オーダン軍本陣に覚醒勇者に進化したハーミアが出現し敵に回っている。ヴァルキリー達が苦戦してるので、勇者を受け持ってくれ。その間にオーダンをヴァルキリーが倒す様に伝えてな。)


オニバル、バズ(承知しました。)


オニバル(師匠、「勇者ハーミアを殺せ!」と敢えて言わなかった認識で宜しかったでしょうか?)


(ああ、だけど無理に助ける必要はないよ。勿論、危ないなら殺しても構わない。あの正義馬鹿は絶対騙されてると思っただけだ。)


オニバル(承知しました。善処します。)


オーダン軍本陣では、ハーミアが樹海帝国軍を翻弄し寄せ付け無い。


ヴァルキリーのスクルドも善戦はするが、何とか持ち堪えている状況。


いや、ハーミアが手加減して殺さないように攻撃してるように見える。


そしてアンデット達はオーダン軍本陣から撤退した。


スクルド「くっ、ハーミアに歯が立たないとは、後少しで仇のオーダンに手が届くと思ったのに!」


スクルドの雷撃、古代兵器の小銃もハーミアには効かない。


ヴァルキリーのヒルド、スコグル、フリストがスクルドの援護に飛んで来た。


ヒルドはスコグルの側近のヴァルキリー。


スクルド同様に白い翼が生えている。


スコグルは人魚から進化したヴァルキリー。


人間の上半身に魚の下半身。1対2枚の翼で空も飛ぶ。


フリストは狼獣人から進化したヴァルキリー。


顔と形は人間。顔以外の全身に銀色の狼の体毛。銀色の1対2枚の翼で飛ぶ。

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