第210話 転生神(その2)

俺は夕飯のしゃぶしゃぶを食べていたら、突然転生神に呼ばれて、説教された後、もとの食堂に戻っていた。


右手に箸を持っている。


その先ににしゃぶしゃぶのタレをつけた魔牛を挟んでいた。


食べる。

温かく美味しい。


どうやら転生神に呼ばれた直前の時間に戻ったようだ。


ハク「どうしたの?急に考え込んで。

顔も青いわ。具合が悪そうよ。」


「転生神に会った。」


ハク、レイ「「え!転生神?」」


「そうだ。」


俺はアスタロトを呼んだ。

「アスタロト、ちょっと来てくれ。」


アスタロトは俺の後ろに出現した。

アスタロト「なんでございましょうか?」


「転生神と会った。

神から見えない、神に聞こえない場所で相談したい。

どこか適当な場所はないかな?」


アスタロト「ハク様の異次元の中であれば大丈夫です。」


「有難う。」


お、意外に身近にあった。


異次元に収納されるのは始めてだ。


「ハク、俺と妻たち、アスタロトを異次元に収納してくれ。」


同時に妻たちに念話で異次元に呼ぶ事を伝える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

いつものリビングと同じ空間にいた。

全く変わらない。


ハク「異次元はリビングと同じにしたわ。居心地いごこちがいいでしょ。」


ユイ、ウィーラ、グレイアから念話があって。

(皆急にいなくなったけどどうしたの?私達も交ぜて。)

と言われたので、彼女達も異次元に呼んだ。


皆は俺に注目している。


転生神に会って言われた事を伝える。


ヒナ「あのじいさんと会ったのね。

偉そうなじいさんだったでしょ。

私の時は、種族は吸血鬼なんてカッコいいかもなぁって思っただけで、吸血鬼の5世代にされちゃったし、ロクに説明もしないで、ダンジョンに放り出されたわ。お陰でカップラーメンをすする毎日だったの。

あの頃には戻りたく無いわ。」


カップラーメンは自業自得だろ。

と思いながら、表面上は同情した表情で聞いてます。


ウィーラ「儂もいきなり呼ばれた。

有無を言わさず『龍脈を守護せよ!』と神託されたのじゃ。

その後、長い間あの地から離れられなくなった。

あそこには戻りとう無いのじゃ。」


ユイ「私を殺せって言われたのですね・・・。

私の場合も同じ様な感じでした。

あの白い部屋で『魔王を倒せ!』と神託を下された。

どうすれば魔王を倒せるのか、説明はなかったわ。

魔法の勇者も勝手に決められたのよ。」


サクラ「私もヒナと似たようなものだったわ。

種族は魔女もいいかなぁって考えた瞬間魔女になってた。

ダンジョンの説明もなし。

試行錯誤で何とか生き延びた感じよ。」


「転生神は放漫と言うか、コミュ障と言うか、酷い奴だ。

皆も苦労したんだね。

転生神は人間と魔族を敵対させたいらしいが、俺は従う気はない。

ユイを殺すなんて言語道断だ。」


皆「え!」

皆はビックリしている。


サクラ「大丈夫なの?

天罰が下されるよ。

この場所では悪口も言えるみたいだけど。

元の世界では不敬な事を考えるのも危ないわ。

ユイはハクの異次元に匿う方法もあるわよ。」


サクラ達の転生神と会った事のある者達は、心配しているようだ。


アスタロト「ははは、こんなに早く神と敵対するとは面白い。

流石不死王を眷属にした人です。

大丈夫ですよ、いざとなったら私が匿います。」


「アスタロト、神は殺せないの?

悪魔は神と戦っているんだろ。」

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