第361話 饕餮(その11)

饕餮トウテツ「クッ。」


歪む顔。オニバルを睨む。


刹那、饕餮トウテツの縮れた羊の毛が、オニバルを襲う。


オニバルは気にも止めず黒刀を横薙ぎに払う。


饕餮トウテツはしゃがむ。


伸びてきた縮れた羊の毛の上側が斬り払われる。


下の毛はそのままオニバルの足に絡まる。


そして、饕餮トウテツの方にオニバルを引き寄せようとしている。


オニバルは足を開き腰を下ろして絶え、黒刀を右肩の上、八双に構える。


オニバルの袈裟斬り。


饕餮トウテツは左に転がりながら黒刀を避けた。


羊の毛はオニバルの両足に絡んだままだ。


饕餮トウテツ「な、なんだその刀は!」


オニバル「神斬りの黒刀・・・『生大刀いくたち』!」


バズ「足が不自由そうだな。」


バズから神気を帯びた風の刃が飛び放たれた。


オニバルの足に絡んでいた羊の毛が風の刃で切り払われた。


饕餮トウテツ「き、貴様は何者だ!」


バズは姿を消す。


風より速く。


饕餮トウテツの背後に移動していた。


バズ「魔神パズズだ!」


バズの右爪が饕餮トウテツを襲う。


通常であれば饕餮トウテツの羊の毛には攻撃は通じない。


しかし、バズの爪は神気が纏っており、饕餮トウテツの背中に突き刺さった。


饕餮トウテツ「グッ!」


饕餮トウテツより緑の血が流れる。


オニバル「バズ、俺の獲物に手を出すな!」


バズ「ああ、すまん。つい・・・ね。」


バズは頭をかいて消えた。


その頭の位置を饕餮トウテツの爪が通りすぎた。


饕餮トウテツは振り返り様に爪で薙ぎ払ったが、既にバズはオニバルの後ろに移動していた。


オニバル「邪魔が入ったが仕切り直しだ。」


オニバルは黒刀を中段に構える。


饕餮トウテツは悔しげに叫ぶ。


饕餮トウテツ「次は食い殺してやる!」


饕餮トウテツの足下に黒い影が広がる。


闇の霧が湧き出てきた。


オニバル「逃がすと思うか?

伊都之尾羽張イツノオハバリ!」


オニバルは叫ぶと黒刀の生大刀いくたちは神気を纏う。


オニバルは黒刀生大刀を下段から斬り上げた。


饕餮トウテツの首が落ちる。


悪魔キマリスに進化した剣聖オニバルは饕餮トウテツを倒した。


「オニバル!やったな。」


俺はオニバルに駆け寄り握手した。


俺の周りにいた皆もオニバルに駆け寄る。


そして皆は拍手をした。


オニバル「はい。」


「その黒刀は凄いな。」


オニバル「生大刀いくたちと言う神刀です。」


「ムラマサと同じ神刀か。」


オニバル「はい。悪魔に進化した際、持っていた魔剣の日本刀が一緒に進化していました。」


「神斬りのスキルも手にいれたみたいだし、俺を越えたな。」


オニバル「いえいえ、師匠の域にはまだまだ到達できません。」


「いやいや、あんな攻撃は俺でも躱せないよ。」


オニバル「ご冗談を、師匠には敵いません。」


オニバルを鑑定したところ、『剣聖』の称号が『剣神』に進化していた。


「称号も剣神に進化しているぞ。」


オニバル「饕餮トウテツを倒した時に進化した様です。」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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4/22 17:00

第1話スタートしました。

気が向いたら読んでみて下さい。


タイトルは、

『Sランクパーティーに捨てられたポーターは実は最強の空間魔法使いだった。~虐げられた世界に復讐して『ざまぁ』するんだぁ!~』


URLは

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895829006

です。


宜しくお願い致します。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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