第154話 ダークハイエルフ

樹海王国、城の食堂。


食事の後寛ぎながら皆と話をしている。


「明日魔法国家ソルセルに行くんだけど、詳しい人いない?一緒に行ってくれないかね。」


ケラノス「1回行った事があります。」


パライド「俺も行った事があります。3回くらいです。」


サクラ「私も行った事はあるけど数百年前だしねー。」


ダークエルフ領領主グレイアが話にまざってきた。


グレイア「ソルセルに行くの?」


「うん、明日行くんだ。同行して案内してくれる人募集中。」


グレイア「私が案内するわ。魔法学校に通ってた事があるのよ。」


「おお!いいねぇ。」


サクラ「いつの時代よ。」


グレイア「失礼ね、百年は経ってないよ。」


サクラ「ひと昔前じゃない。」


グレイア「店は多少変わってるかも知れないけど、都市はそんなに変わって無いよ。それにあの国の上層部は、長命種が多いので知り合いもいるわ。」


「他にいないようなので、グレイアにお願いしよう。」


グレイア「よっしゃ!頑張ります。」


グレイアなんか張り切ってます。


何を頑張るんだろう?


「宜しくね。」


そこにリッチで魔法使いである勇者のユイが来た。


ユイは異世界転移者でヒナとサクラと仲が良いので、いつも一緒に食堂で食事をしている。


ユイ「魔法国家ソルセルに行くのー?私も連れてって!」


「ユイは行った事ないの?」


ユイ「行った事無いのよ。魔法使いとして一度見ておきたいわ。」


「確かに、そうだね。連れていくよ。」


ユイ「やったー。」


ヒナ、サクラ「「良かったねー。」」


グレイアは眷属化の恩恵と日頃の地道なレベ上げ、度重なる戦争における経験値の取得により、ダークハイエルフに進化していた。


元々眷属化の恩恵でステータスが倍になっていたが、ダークハイエルフになった事により更に強力な魔法を使える様になったらしい。


グレイア「魔法の効果が超ヤバイのよ、闇魔法凄すぎ!」


ハクの異次元収納に匹敵する影収納。


闇の触手を自由自在に出せる。


触手は硬軟自在で突き刺したり、絡めて捕縛等が出来る。


影転移で人の影に移動。


闇の風で敵をバッドステータスにする。


グレイアは強力な魔法を手に入れた。


これは妻達に匹敵する強さだね。


エルフ族は長命だが、出産が少なく希少種に相当し、その数が少ない。


ハイエルフは更に少なく、この世界ではエルフ族の死んだ将軍エリトアと他数名しか存在しない。


ハイエルフはハイエルフ同士からしか産まれず、ハイエルフとエルフ、ダークエルフ、ハーフエルフが子供を産んだ場合、ハイエルフとはならない事から絶滅危惧種である。


ましてやハイエルフが闇に堕ちてダークエルフになる事は殆ど無い事から、ダークハイエルフの存在は今まで確認された事はなかったらしい。


希少種中の希少種だと言えるだろう。


ちなみに初めのダークエルフ達はエルフが闇に堕ちた事により誕生しているが、現在のダークエルフ達はダークエルフ同士から生まれたり、ダークエルフとエルフやダークエルフとハーフエルフから生まれた場合もダークエルフとなる事から、初めの世代ほど闇に堕ちて誕生した感は無いらしい。


そう考えるとエルフ達も俺の眷属になっていれば、進化する事でハイエルフ化したかも知れない。


種としては絶滅危惧を何とか出来る可能性もあるが、それはそれこれはこれである。


エルフ達のやって来た事と、エルフ至上主義は許せないのでしょうがない。


そう言えば、ダークエルフの将軍グレンシーもダークハイエルフになっていたよ。


現在、我が国のダークハイエルフはこの2名である。


恐らくこの世界でも2名だけだと思う。


大体眷属化したダークエルフはこの2名だけなので、他のダークエルフがダークハイエルフになる事は今のところ無いだろう。


「ところでアリアは進化しないの?」


アリア「相談しようか迷ってたんだけど。

実は進化出来るの。

だけど人間じゃなくなる事に抵抗があってね。

保留にしてるわ。」


「あぁ。そうだよね。

俺も人間止めるのは抵抗あるわ。

どんな種族に進化出来るの?」


アリア「超人、仙人、半神、魔人の四つだよ。」


「ふむふむ。いずれも人間を越える存在の様だね。まあ、焦らずゆっくり考えて、納得した上で進化した方がいいね。」

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