第21話 ゴブリン襲来

夜は何事もなく過ぎて翌朝。

昨日の冒険者が気になるので、スパに状況確認。


「スパ、昨日の冒険者達は何をしてる?」

スパ「朝イチで村の外に出ました。ゴブリンの偵察を行うようです。」


「そうか、有難う。取り合えず俺達に絡んでくる事はないようだね。」

スパ「そうですね。」


「警戒継続でお願いね。」

スパ「承知しました。」


宿屋の一階に降りていく。

アリアが俺を見つけると駈けてきた。

アリア「ヒロトさん、お早う御座います。」

「アリアさん、お早う。」


アキートも俺に気付いて声を掛ける。

アキート「ヒロトさん、お早う御座います。」

「アキートさん、お早う御座います。」

アキートは幾つかのテーブルに商品を並べていた。


「その商品は?」

アキート「宿屋の一階の一部を借りて、臨時のアキート商会を開くのです。今日は私は忙しくなるので、アリア達と先に朝食を食べてください。ガリア町には明日の朝出発します。今日一日はのんびり村を散策してください。」

「分かった。」


アリア「朝食はこちらです。」

アリアは俺の手を取ると、アリアとレイクのテーブルに案内する。


テーブルでは、レイクが朝食を食べていたが、俺を見て手を止める。

レイク「お早う。」

レイクは微笑で手をあげる。

「レイクさん、お早う御座います。」

アリアにうながされて、アリアの隣に腰を降ろした。


テーブルには俺の分も朝食が用意されていた。

朝食はパンとスープ、何かの肉、サラダ。

アイ(豚肉です。)

(お!鑑定したんだね。有難う。)


アキートの様子を遠くのテーブルから眺めながら、アリア、レイクと朝食を食べ始めた。


アリア「昨日は有り難うございました。C級冒険者はかなり強くて、町でもトップクラスなので、もっと上手に断れれば良かったのですが・・・。」


「いえいえ、アリアさんは何も悪く無いですよ。毅然と断っていた姿はカッコ良かったです。」


アリア「そんなこと無いです。恥ずかしい。」

頬を赤くしてうつむき、店のメニューで顔を一生懸命扇いでいる。


アリア「ヒロトさん、良かったら私達の傭兵団に入っていただけないでしょうか?」

思いきって告白したようにアリアが聞いてきた。

「すいませんがお断り致します。」

すまなさそうに断る。


アリア「そうですよね・・・ヒロトさんは個人でもお強いので傭兵団に入るメリットが無いですよね。」

「いえいえ、そんなことは無いのですが、人に言えない秘密があるのです。」

魔物をいっぱい眷属にしてるなんて言えないよ~。

拠点はダンジョンだし、こりゃ普通の人間の生活は出来ないな。

アリア「はぁ~。そうですか~。」


「アキートに村の散策でもするように言われたんだけど、案内して貰える?」

アリア「すいません。ご一緒したいのですが、仲間達の埋葬するのと、アキート商会のお手伝いをしながら護衛する契約になっているのです。」

アリアはすまなそうな顔でうつむく。

「そうか、残念です。」


食後、小さな農村をのんびり畑や牧場を眺めながら歩く。

ときどき見つけた美味しそうな野菜や乳製品等を、村の人に直接交渉し購入した。


そんなとき、スパの小蜘蛛から念話が入った。

スパ「ゴブリンの群れが村に近づいて来ます。)

「え!そりゃ大変だ。」


眷属共有で小蜘蛛の位置を確認。

歩いて半日くらいの場所だ。


「スパ、何匹くらいの群れかね?」

スパ「100匹は越えるようです。」

「多いな。」


宿屋に走って行きアリアとレイクに相談した。


「レイクさん!大変だ。俺の眷属からの情報で、100匹を越えるゴブリンの群れが村に向かって来てる。」

レイク「何だって!・・・う~ん。」

レイクは考え込んだ。


アリア「直ぐに村民に避難するように伝えて、私達で足留めしないと。」

レイク「村長や村民になんて説明する?ヒロトさんの眷属を皆に見せるのか?ヒロトさんを村民は怖れるよ。ヒロトさんの仕業と思うかも知れない。」


アリア「確かにあの魔物達は村民からするとゴブリン以上に脅威に見えるかも・・・。」

レイク「ヒロトさん、申し訳無いが俺と一緒に偵察に行ってくれないか?俺が見たことを説明すれば村民にも説明がつく。」

「分かりました。」


レイク「アキートさんに状況を説明してくる。」

レイクはアキートに状況説明を行う。


アキートの承諾を貰い、レイクは偵察に行くことになった。

そしてアリアは臨時のアキート商会の店仕舞いを手伝い、避難準備をすることになった。


アリアは俺の手を両手で握り締め、声をかけてきた。

アリア「ヒロトさんは強いので大丈夫だと思いますが、気を付けてくださいね。」

「強くは無いよ。心配してくれて有難う。」


レイク「おいおい、俺はどうでもいいのかよ。」

レイクは笑いながらアリアをからかう。

アリア「どうでもいいわよ。」

アリアは照れながら、レイクに軽口をたたく。


俺とレイクは村を出た。


門番が見えなくなったら、ドレイクのリザを召喚し二人乗りでゴブリンの群れがいる方向に向かう。


ライゾウとビーも召喚し臨戦体制。

コボミも召喚し、コボミとアイで周囲を警戒しながら走る。


アイ(ゴブリンの群れ、先頭、人間)

ん?誰か追われているのか?


見えてきたのは、昨日の4人の冒険者。


アイから鑑定情報報告。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:アギト

種族:人間

性別:男

職業:剣士

性別:♂

レベル:31

HP:100/300

MP:50/50

スキル:

 剣術(LV5)


名前:イジキ

種族:人間

性別:男

職業:盗賊

性別:♂

レベル:30

HP:200/250

MP:70/85

スキル:

 盗術(LV5)


名前:ソクー

種族:人間

性別:男

職業:弓使い

性別:♂

レベル:25

HP:100/250

MP:50/70

スキル:

 弓術(LV4)


名前:ルワシ

種族:人間

性別:男

職業:僧侶

性別:♂

レベル:29

HP:300/350

MP:110/300

スキル:

 回復魔法(LV5)

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