第292話 ノガート町(その6)

ひのきの柱を贅沢に使った浴槽。


滑らない石造りの床。


ひのきの片手桶でかけ湯。


足先からゆっくりかけていく。


そして、タオルを濡らして絞り、頭に乗せて湯に入る。


泉質は替える事が出来る様にしているが、今日の湯は白濁の硫黄泉。


硫黄の匂いがする。


妻達も始めはちょっと嫌な顔をしていた者もいたが、毎日温泉に入っているため、慣れたようで今は全員満足。


湯船には顎まで付けて、妻達のかけ湯を気づかれないようにこっそり見る。


別にこっそりする必要はないけどね。


恥ずかしいのでこっそり。


ユイとヒナ、サクラは日本人の容姿。


タオルで隠した姿態が艶かしい。


ハピはセイレーンの時のグラマラスな姿態そのまま。


人化形態で全裸でも普通に歩いている。


そう言えばハーピーだった時も全裸で歩き回ってたなぁ。


コボミはスキュラの時の人間の上半身と、人化形態で下半身も人間。


ふくよかな胸。くびれたウエスト。


すっきりした太股。


スパ、ビー、アンナはスリムで長身。


ファッションモデルの体形。


ビーはその中で豊胸だ。


アリアは天使になっても赤い短髪は変わらずボーイッシュ。


スリムで引き締まった女性の身体がちょっとアンバランス。


そこがいいんだけどね。


右にハク、左にレイが座ってきた。


あわわわ。裸だよ。


つい胸に目がいってしまう。


悲しい男のさがだね。


夜は恥ずかしいからちょっと暗めにしてるし。


こんな明るいところでは何度見ても慣れないね。


ヒナが目の前に入って来た。


ヒナ「いつか聞こうと思ってたけど、その頭のタオルってなにー?

面白すぎでしょー。」


ユイもその後ろから入って来た。


ユイ「タオルをお湯に浸けないようにしてるんでしょ。」


「基本的にはそうだけど、入浴中に頭に血が昇ってのぼせるのを防止する効果があるって、聞いたことがあるんだよ。」


ヒナ「へぇ。私もやろう。」


ヒナは絞ったタオルを頭に巻いた。


立ったまましないでよ。


胸に目がいっちゃうよ。


慌てて横を向く。


長風呂が苦手なリザがもう湯船から出ていた。


浴槽の横で全裸で横たわり涼んでいる。


こっちも全裸かぁ。


慌てて誤魔化すように。


「そろそろ身体を洗って来るよ。」


俺は立ち上がる。


ハク「身体を洗ってあげるね。」


ハクも立ち上がって右手をとる。


「え!」


レイ「そうね。」


レイも左手をとって、二人で洗い場に連行された。


洗い場のひのきの椅子に腰かけて。


左右からレイとハクが丁寧に洗う。

髪の毛から、足の先まで全身洗って貰った。


当然大事な所も洗って貰いました。

ああ、恥ずかしい。でも嬉しい。


さあ、上がり湯をして上がろうか。


片手桶で湯口から新鮮なお湯を、ゆっくり全身にかけて浴槽から出た。


レイとハク、リザ、ハピは長湯しないので、一緒に上がる。


皆、湯上がり卵肌だね。


ツルツルすべすべだ。


バスタオルで全身を拭いて脱衣籠を見る。


着ていた服や下着は新しい下着と服に替わっていた。


メイドはいい仕事してますね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る