第306話 饕餮(その8)

俺達はノガートに転移した。


饕餮トウテツとハーミア達の間に転移した。


俺達は宙に浮かぶ。


ビーが人化形態で翅を生やす。


空を飛び。上空からニードルバレットを饕餮トウテツに連射。


グレイアは数万の細い闇の触手を出して饕餮トウテツの羊毛と絡めあう。


「ユイ、ハーミアを確保して!」


ユイ「はい。」


ユイは上空から闇の触手を伸ばしハーミアを捕まえた。


そのままユイの近くに引き寄せる。


ハーミア「陛下!」


スクルドは雷撃を饕餮トウテツに放つ。


雷撃は饕餮トウテツの羊毛にはばまれる。


スクルドは槍を持って饕餮トウテツに突っ込む。


グレイア「はぁ。馬鹿だね。」


「無闇に突っ込んじゃダメだよ。」


案の定、白い羊毛に絡め取られ捕まる。


羊毛はスクルドを口に運ぶ。


スクルドはもがき暴れる。


羊毛は更に絡まるばかり。


スクルドは身体から雷を放出。


饕餮トウテツには効かない。


「しょうがないな。」


俺はムラマサを抜刀。


スラオの転移でスクルドの近くに行く。


スクルドを捉えた羊毛を斬る。


「スクルド、無闇に突っ込むな。」


スクルド「はい。有難う御座います。」


スクルドはほっとする。


束の間、白い羊毛は一気に伸びる。


俺とスクルドを包む。


ハーミア「陛下!」


ハーミアは心配の表情。


俺は咄嗟とっさにスクルドをスラオの影に収納。


「スラオ、饕餮トウテツを喰っちまえ!」


スラオは暴食のスキルを発動。


俺とスクルドを包み込み、俺達が見えなくなる迄、まとわりついてた羊毛。


急激に俺の胸元のスラオが吸い込み喰らう。


見る間に白い羊毛は俺の胸元に吸い込まれていく。


饕餮トウテツが羊毛を吸い込まれて引きられる。


饕餮トウテツは慌てて羊毛を切り離し消えた。


「逃げたか。」


俺はスラオの影からスクルドを出した。


スクルド「危ないところを有難う御座いました。饕餮トウテツはどうなったのでしょうか?」


「逃げられた。」


スクルド「そうですか。」


俺達は地面に着地。


ビー、グレイアも俺の近くに降りてきた。


ハーミアを触手で捉えたままユイも降りてきた。


ハーミア「陛下、御無事で。」


「うん。怪我ひとつないよ。」


ハーミア「やはり陛下は正義の為に、饕餮トウテツを倒していただけるのですね!」


「誤解するな、今回はハーミアを助けただけだ。次は助けないぞ。」


ハーミア「でも!スクルド様と一緒に行動されているのですよね。」


「いや、頼まれて港町スーオ迄、馬車で送っているだけだ。」


スクルド「陛下のおっしゃる通りです。」


ハーミア「そうですか。」


ハーミアは落胆した。


ハーミア「では、私もスーオ迄、送っていただけないでしょうか?」


「まあ、それぐらいはいいか。ノガートはあちこち壊れているからな。復興するまで時間がかかるだろう。但し、側室達は良い顔しないと思うぞ。かなりご立腹だからね。」


ハーミアはスクルドと一緒に行動したいようだったからな。


グレイア「怒っていますが、陛下の御心みこころに従います。」


ハーミア「有難う御座います。」

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