第408話 VS雷公と電母(その8)

雷公が雷雲を抜けた先にはドラシルが待ち構えていた。


ドラシルは光のブレスレーザービームを雷公に放つ。


雷公は雷となって避けた。


雷公「くっ、ここにもいたか。」


上空にドラシル、下方の雷雲からグレンシーら3人も雷公に向かう。


そしてそこに現れた雷神トールのライゾウ。


右手に『真紅の槌ミョルニル』、左手に息壌そくじょうの布袋を構える。


ライゾウ「観念するのだ!」


雷公「これは流石に分が悪いな。ここは負けを認めよう。だが、計画は順調だ。時間は随分稼がせて貰ったよ。また会おう。次は負けない。」


雷公は転移で消えた。


雷雲と電母の姿も見えない。


ライゾウ「ちっ、逃げられたか。」


そこに応龍ハク、麒麟コボミ、鳳凰ハピ、霊亀リザの分身体が転移してきて竜王山の龍脈も四霊獣結界を張り封印することが出来た。


夸父こほを退けて古竜山脈の龍脈を封印し、雷公を退けて竜王山の龍脈を封印した。


俺は樹海帝国城のいつものリビングにいて、妻達と念話で状況を見守っていた。


異世界転移者でダンジョンマスターである吸血鬼真祖のヒナが口を開く。


ヒナ「皆、進化していくねー。

置いていかれる様だわー。」


同じく転移者で深淵の魔女サクラが同意した。


サクラ「そうね。悪魔や亜神は強力な力を持つわ。」


人間から天使に進化したアリアが話に加わる。


アリア「ヒナもサクラも進化出来るんでしょ?」


サクラ「進化出来るけどね。長年魔女だったからね、踏ん切りがつかないのよ。」


ヒナ「私はねー。妊娠中だから胎児の影響が気になってねー。」


そう、妻達は妊娠している。


異世界転移してから、幾年も共に戦って来た最高戦力の妻達が産休中で、他の眷属達に頼った戦いになっているのだ。


不死王のルシーも会話に混ざってきた。


ルシー「私達が産休中だから眷属達が前線で戦うことになって、その結果進化した者が増えたんだよ。」


その時、アラクネエンペラーから悪魔バエルに進化したスパが出現した。


スパ「陛下、小国群に南の王国から難民が庇護を求めて殺到しています。」


「南の王国で何かあったな。南の王国にはアンナの眷属である翅蟻達が監視していたはずだけど、まだ監視している翅蟻は残っているか?」


キラーアントエンプレスから悪魔パイモンに進化したアンナが現れた。


アンナ「まだ残っています。南の王国では、魑魅魍魎が大発生しています。」


「大発生!」

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