第250話 梼杌(その1)

急に物凄い音がして空気が震動した。


揺れを感じる。


「スパ、どうした?」


スパ「窮奇キュウキが現れました。」


「何処に?」


スパ「深淵の樹海北部です。四霊獣結界が攻撃されたようです。」


ハク「強い衝撃だったけど四霊獣結界は壊れてないわよ。」


スパ「コボ2が現場に向かっています。」


「よし、俺もいくぞ。」


スパ「待ってください。」


他の地域でも異変があります。


「え!」


コボ4から念話が入る。


コボ4(ヒロト様、大自然で梼杌トウコツらしき魔物が出現し暴れています。グリフォン族長グリルとミノタウロス族長ミロイド、竜王ドラシルが交戦中。私は今現場に向かっています。)


(報告有難う。北部に窮奇キュウキも出現中だ。誰か派遣するので、時間を稼いでくれ。)


コボ4(承知しました。)


大自然は亜神クラスの眷属がいないから、此方こっちにいくか。


グレンシーから念話も入った。


グレンシー(旧小国群の北西地域、南西地域の境に饕餮トウテツらしき者が出現。リザルド元帥、デルガ公爵様と共にが向かっています。)


(うむ。報告有難う。北部に窮奇キュウキ、東部に梼杌トウコツが出現した。3人の軍で対応を頼むぞ。)


グレンシー(承知しました。)


う~ん。どうしよ。


俺が大自然に行くとしても、北部もコボ2だけでは危うい。


(デステル、リガント、北部に窮奇キュウキが出現。出撃してくれ。)


デステル、リガント(承知しました。)


「よし、大自然に行くぞ。」


サクラ「待って。渾沌コントンが出現して無いわ。次に渾沌コントンが出現した場合の指示が必要よ。戦闘に入れば全体が見えなくなる。ヒロトはここに残るべきよ。」


ハク、レイ「そうね。」


ハクとレイが右と左から抱き締める。


「むむ。」


ビー「私が大自然に行きます。」


「有難う。一人では心配だ。ライゾウ、アスタロト、ビーに同行してくれ。」


ライゾウ「分かった。任せろ。」


アスタロト「承知しました。」


ビー、ライゾウ、アスタロトは大自然に転移した。


サクラ「そうそう。それでいいわ。」


ルシー「そうね。ヴァンスとオニバルを渾沌コントンの要員として残してるし、状況を見て次の手を打ちましょう。」


「むむ。心配だ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーー

大自然。


梼杌トウコツ

大きな虎の身体。

人間の頭。燃えるような眼光。

荒々しい表情。

猪の鋭い牙。長い尻尾。


梼杌トウコツは小高い丘の上に立つ。


グリフォンの群れが空中で梼杌トウコツを取り囲む。


グリフォンキングの族長グリルが前に出る。


グリル「貴様が梼杌トウコツか?」


梼杌トウコツ「そうよ梼杌トウコツだ。」


地上ではミノタウロスの群れ。


レッドミノタウロスの族長ミロイドも前に出る。


ミロイド「何しに来た。」


梼杌トウコツ「破壊だ。全てを破壊しに来た。」

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