第58話 魔王軍四天王、アンデットナイト

不死王を眷属にした俺は、世界樹の里にいる。元精霊の集落でオーク軍が拠点としていた場所。長くて面倒なので『世界樹の里』としておこう。だって世界樹があるんだよ。名前に世界樹っていれるよね。


いつものメンバー+蛇王と不死王、カーバンクルと一緒にいる。

ほぼ全員人化。

人化してないのは、人化出来ないスラオ、ムラマサ、ライゾウ、カーバンクル。

右手はハクに左手はレイに抱えてられてる。

連行されてるようです。

かわいいから許す。


カーバンクルはヒナに抱かれている。


「ところで、ルシーはどうやって不死王になったんだい。

魔石を飲み込んでたけど。」

ルシー「不死王の魔石を飲み込んだの。不死王はけして死なないわ。

あまりにも長い間生きていると生きているのが苦痛になる事があったらしいの。その時、自分が魔石だけの存在になることを思い付いた。

ん?どうやら、不死王の記憶も受け継いだため、自分の記憶と一緒になってるみたい。

魔石を飲んで一体化したのよ。

一度死んでから不死王として蘇ったわ。」

一度死んだから、レベルアップと進化のメッセージが流れたんだな。


「魔王軍はまたここに攻めてくるのかな?」

ルシー「分からない。私は独自で動いていた。深淵の樹海で戦力を増強して人間の国に侵攻しようとしたけど、他の四天王がどう動くかは不明ね。」


「四天王と言うくらいだから後3人いるんでしょ。」

ルシー「います。オーガエンペラーの『豪腕のガランド』、アラクネクイーンの『謀略のジョローニ』、魔族の『闇のクログル』の3人。」


「どんな敵?」

ルシー「豪腕のガランドは腕力馬鹿。力任せに何でもしようとするわ。

謀略のジョローニは陰険ババア。

弱いけど裏で色々画策するのよ。

滅多に表に出てこないし、始末に終えないわ。

闇のクログルは魔法馬鹿。

魔法の研究ばっかり、でも一番魔王に近い存在ね。」


「ふむふむ、皆二つ名があるんだね。」

微笑。


「自分で言ってる訳じゃないわよ、いつの間にか言われてるのよ。『魅惑のルシー』なんて自分で言わないし。」

ルシーは恥ずかしそう。


ルシー「私達の一族は小数で、魔王軍内での地位向上するため必死だったの。地位向上出来なければ、魔王軍の中ですぐ滅ぼされてしまうわ。

お願い。私の一族がここで暮らす事を許可してほしい。」

「いいよ、ルシーも眷属になったし。ただし、揉め事は起こさないようにルシーがしっかり見てて欲しいかな。」


ルシー「有難う。一族の事は私が責任持つわ。後で呼びに行く。それからオニバルなんだけど。」

「オニバル?」


ルシー「オークエンペラーよ。」

「あのオークエンペラーか。オニバルがどうしたの?」


ルシー「悪魔の鎧と一体化させてアンデッドナイトとして、私の死霊魔法で蘇らせたいの。オニバルはとっても役に立つわ。とってもかわいそうな子だったのよ。」

「いいよ。確かに将軍並みに戦術は知ってそうだったね。」


ルシーはオニバルの死体のそばにいくと、死霊魔法を唱えた。

オニバルの死体の下に禍々しい魔方陣が浮かび出す。

外れていた鉄仮面が飛んできて、オニバルの顔を覆う。

目が赤く光る。

オニバルは倒れたまま浮かび上がる。

足から着地し立っていた。


オニバル「お久しぶりです。ルシー様。」

ルシー「貴方はアンデッドナイトとして復活したわ。これからも宜しくね。そしてヒロト様が私の主人となったので、ヒロト様の言うことも聞くように。」


オニバル「承知しました。ヒロト様、宜しくお願いします。」

「こちらこそ宜しくね。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


さてと、戦争の事後処理が必要だけど、何があるかな?


オク1に念話を送る。

(オク1、ガラード王国軍を追っていったオーク軍も眷属にしてきてね、あんなとこにいたら邪魔だから。そしてここにオーク達も戻って来ること。)

オク1(承知しました。今現場に向かっています。ここにいるオーク軍敗残兵は全て眷属化しています。)

オク1はオークエンペラーに進化していた。

(仕事が早いね。宜しくね。)


後は・・・。

各領地の集落は、地下に移動しているから地上に戻そう。


戦場の死体は全てダンジョンに消化されているので、壊れた家屋以外は割りと綺麗かな。負傷した仲間、オーク達は救護部屋に送っているので、道端に座っていたり、倒れている者もいない。


「ヒナ、この家屋はダンジョンで一気に復旧したほうがよいかね。でも精霊の済む場所として、家屋を全て消去して自然の状態にしてもいいかな?」


ヒナ「あああああああ」

ボーッとしていたヒナが突然大声をあげる。

「どうした?急に。」


ヒナ「DPが凄い事になってる。どんどん、どんどん増えていく。」

「増えていく?、じゃないんだね。」


ヒナ「うんうん、こうしてる今も、DPにポイントが加算されてるようで、みるみる変わってるのよ。」

「その原因ってこれだよね。きっと。」

目の前の世界樹を見上げる。

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