第57話 不死王
オークエンペラーを倒した後、魔王軍四天王であるサキュバスの『魅惑のルシー』が現れて俺たちに話しかける。
ルシー「貴方達がゴブリンキングも倒したの?」
「そうです。貴方達が人間と戦う事を邪魔をする気はありませんが、深淵の樹海に住んでいるので、樹海の魔物が襲われたため反撃しました。人の家に土足で入ってきたら蹴飛ばされても文句は言えないでしょう。」
ルシー「人間を倒すために、樹海の魔物は戦力で必要なのよ。ゴブリンキングは私の眷属。許す事は出来ないわね。」
「敵対やむ無しですね。」
ルシー「オークエンペラーも倒したのよね。」
「そうです。」
ルシー「育てるのに結構時間が掛かったのよ。秘蔵の鎧も貸したのに倒すなんて、結構やるみたいね。」
ルシーの魔力が爆発した様に広がる。
俺はムラマサに手をかけ、半歩右足を出して構える。
いつもの構えだ。
蛇王の両肩の蛇が伸びてルシーを襲う。
ルシーの周りを魔力が覆う。
ルシーを覆った魔力は人型の巨人となる。
魔力の巨人が両手で蛇を掴む。
振り回し投げる。
蛇王は飛ばされたが、何もなかったかの様に着地する。
ハクが空を飛ぶ。
蛇の尻尾を叩きつける。
魔力の巨人に阻まれる。
(アイ、MP吸収が出来る?。)
アイ(MP吸収、出来ない。レジスト。)
(レジストか。MP吸収は強い相手には効かないのか。)
神刀となったムラマサを抜刀。
魔力の巨人の腕を斬り飛ばす。
しかし、魔力の巨人の腕はすぐに生えてくる。
「斬れることは斬れるね。
ムラマサを八双に構え、袈裟斬りで振り下ろす。
スラオが光魔法をムラマサに乗せた。
「え!そんな事が出来るの?」
スラオ「出来た。」
ムラマサは光りながら、魔力の巨人とルシーを一刀両断。
左首もとから右わきの下まで切断され、ズレて落ちる。
ルシーは崩れ落ちるが生きていた。
ルシー「ばかな・・・私が・・・負けるなんて。
・・・その刀は聖剣?・・・
ここで死ぬなんてありえない。・・・一族・・・の為、・・・私は・・・し、死なんぞおおお!」
ルシーは瀕死の身だが右手で懐から魔石を取り出し飲み込む。
ルシーの身体がズズっと這いずり動く。
切断された面が合わさり、元に戻っていく。
しかし、魔石の力が強すぎたのか、ルシーの身体は光り輝いた後、
光が消えていく。
レベルアップと進化のメッセージが流れた。
ヒナ「本当に死んだのかなー?」
「止めてよ。フラグになっちゃうよ。メッセージが流れたので死んだはずだよ。」
カーバンクル「助けてくれ~。」
声を聞いてヒナがカーバンクルの檻を開けようと調べ始める。
ハクとレイも手伝っている。
君たちもモフモフしたいのか。
蛇王が近づいてくる。
蛇王「婿殿、ありがとう。進化できたよ。」
「いえいえ、こちらこそ有難う。助かりました。」
他の眷属達も進化したんだろうな。
後で確認だな。
カーバンクルがやっと檻から出られた。
カーバンクルが叫ぶ。
カーバンクル「油断するな!
何かおかしい。邪の気配がする。」
周りを見渡す。
ルシーの死体しかないが・・・。
ルシーの死体の周りが暗くなっていく。全ての光を吸収するように。
暗く、黒く、漆黒、暗黒・・・・。
ルシーの死体から「ぶわっ」と、何かが膨れ上がり辺りに広がる。
ルシーの死体が急に起き上がる。
「え!・・・・」絶句
綺麗だった顔にドクロの影が見える。
いつの間にか奇妙な杖が右手にある。
ルシーが無言で杖を振った。
何かが俺たちを吹き飛ばした。
カーバンクル「邪気だ。かなり強力!怨霊か?」
カーバンクルの額にある赤い宝石が光りだす。
宝石から赤いレーザービームが放たれルシーを突き刺す。
ルシー「ふはははははは!無駄だ!」
ルシーは左手を振るとレーザービームは霧散する。
ルシー「私は!強大な力を手に入れた!不死王になったのだ!」
ルシーから膨大な魔力が膨れ上がる。同時に邪気が広がっていく。
仲間たちは立っていられなくなり、次々と倒れていく。
「やばい、存在するだけで攻撃になるのか?」
蛇王も膝をついている。
蛇王「そうだな。奴はとんでも無いものになりやがった。
アンデットの中の最高位、エルダーリッチよりも更に上位。
魔王や竜王も凌ぐと言われている。
この世界最強の魔物!
「え!魔物・・・。」
魔物だったらテイム出来ちゃうんじゃね。
俺はルシーに向かって叫ぶ!
「テイム!」
ルシーの動きが止まる。
ルシー「え!・・・」
驚愕。動揺。
・
・
・
・
<不死王をテイムしました。>
テイム出来ましたよ。不死王が眷族化しました。
「ルシー、魔力と邪気の放出を止めてくれないかね。」
ルシー「はい、承知しました。」
ルシーは邪気と魔力の放出を止める。
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