第四章 四凶

第248話 四凶(その1)

窮奇キュウキの去った後、魔族の国は静まり返っている。


生き残った魔族も恐らく極端に少なくなったのだろう。


バイコーンと魔族たちの死体を出して、ルシーの死霊魔法で蘇らせた。


アンデットとして蘇ったバイコーンと魔族達に魔族の国と大自然北部に住まわせる事にしよう。


魔族の国はジョローニに領主を任せる。


アンデットになった魔族達と生き残った魔族達を中心に発展させて欲しい。


ジョローニは元魔王軍四天王で、謀略のジョローニと言われていたアラクネクイーンだった。


スパに倒されデルガが死霊魔法で蘇り、リッチとなった。


そして、大自然北部はアレオンでいいか。アンデット同士だし。


蘇ったバイコーンを中心に大自然北部を傘下においてもらう。


アレオンは元ガラード王国将軍の人間だったが、ヒロトに斬られた後、デルガの死霊魔法で蘇り、スペクターとなった。


ジョローニとアレオンを召喚し、魔族の国と大自然北部を任せる事を伝えた。


宰相のデレイズにもその旨を伝えて、ジョローニ、アレオンと連係を取るように指示。


デレイズに丸投げすれば大丈夫だ。


「スパ、ジョローニは部下だったけど問題ないよな?」


スパ「はい。領主になっても小蜘蛛の監視を引続き行えば問題ありません。」


「その事もデレイズとジョローニに伝えておいてね。」


スパ「もう連絡済みです。」


「そ、そうか。」


ジョローニは仕事が増えるだけなのね。


アンデットだから24時間働けるのでいいか。


アラクネクイーンからリッチになって良かったね。


良かったのか?お気の毒さまだね。


「ビー、アレオンは君の部下だったけど、問題無いように調整してね。」


ビー「承知しております。当面はキラービークイーンの部下に代役を任せますので、ご安心ください。」


ビーの眷属は沢山いるので安心だ。


ジョローニとアレオンには、窮奇キュウキが出現した場合、即座に連絡させる事にした。


そして、取り合えずいつものリビングに戻った。


サクラ「四凶しきょうかぁ。」


「古代中国の神話に出てくる四柱の悪神だよね。」


サクラ「そうだよ。饕餮トウテツ窮奇キュウキ梼杌トウコツ渾沌コントンの四柱。」


ハピ「名前を覚えられないなぁ。」


ヒナ「ねー。」


ルシー「共工キョウコウ窮奇キュウキになったんだよね。」


サクラ「そう。恐らく驩兜カントウ渾沌コントンに、コン梼杌トウコツに、三苗サンビョウ饕餮トウテツになってるね。」


ヒナ「何で分かるの?」


サクラ「渾沌コントン驩兜カントウが死後怨念が変化したものであるという説があって、その説によると、窮奇キュウキ共工キョウコウが死後変化し、梼杌トウコツコンの死後変化、饕餮トウテツ三苗サンビョウの死後変化と言われていたのよ。」


ヒナ「サクラ詳しいね。」


サクラ「神話ヲタクだったのよ。」


ユイ「サクラの意外な一面を見たわ。」


「樹海帝国全土に警戒体制だな。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る