第314話 暗黒街ミレース(その5)

スクルド「今ここでお前から武器を奪ってもいいんだよ。」


グリガス「それは無理だ。俺達は太古の兵器を持っていない。」


スクルド「ふむ。そうか。後からこの町に入った奴等は持っていないのだな。」


グリガス「その通りだ。我々はこの身につけたスキルでのしあがった。」


スクルド「すると相手はハーフエルフか。」


グリガス「そうだ。ハーフエルフの女王エルサラ。」


スクルド「ふむ。先ずは話を聞こう。」


グリガス「ふぅ。エルサラの縄張りはこの町の奥だ。戦える人数は200人程度。ハーフエルフ、ハーフダークエルフを中心とするが、半獣人、ダンピーラも十数人はいる。


何れも、魔法や精霊魔法も使えない。注意が必要なのは3人の幹部と古代兵器。幹部は、ハーフエルフのエルサイア、ライオンの半獣人ライガム、ダンピーラのヴァズドの四人。


まあ、スクルドなら全く問題なく倒せると思うが、女王と幹部は古代兵器を持っている。」


スクルド「古代兵器とは何だ?

Gunか?」


グリガス「Gunを知っているのか。説明の手間が省けていいな。」


スクルド「やはりそうか。」


グリガス「魔法拳銃2丁と魔法小銃2丁。魔力を込めて魔法弾を発射する。


魔法小銃は遠距離の敵、魔法拳銃は中距離の敵を攻撃する。近距離は格闘スキルで対応されるので穴がない。」


スクルド「魔法銃は詠唱不要の為、

連射可能と聞いたが本当か?」


グリガス「そこまで知ってるのか。

話が早いな。鉄の盾も貫通する為不用意に近づけない。」


スクルド「それで王国の兵士もやられたんだな。この町はオーチ伯爵と繋がっていると聞いたが、内部で争っても問題無いのか?」


グリガス「オーチと繋がってるのはハーフエルフどもだけさ。奴等を倒せば、俺達が後釜になる。オーチ伯爵とはそれで話がついている。」


スクルド「ふむ。怪しいな。」


グリガス「おいおい、本当の事だぞ。信じてくれ。」


スクルド「お前を疑ってる訳ではない。オーチ伯爵が怪しいのだ。オーチの動向を探った方がいいぞ。」


グリガス「どういう事だ?」


スクルド「オーチはそんな単純な奴じゃない。恐らくは、オーチの手の者がこの町に入り込んでいる。


お前らがハーフエルフを襲うのに合わせて、漁夫の利を狙ってそうだ。」


グリガス「むむ。」


スクルド「オーチの領城があるノガートに饕餮トウテツが現れて、半壊した。」


グリガス「え!半壊?」


スクルド「我々は現場にいたからな。」


グリガス「スクルドさんが饕餮トウテツを追い払ったのですか?」


スクルド「急に『さん』付けしなくてもいいよ。饕餮トウテツを追い払ったのは知り合いだ。オーチの兵士は饕餮トウテツにかなりの数が喰われた。」


グリガス「喰われた!」


スクルド「オーチの戦力増強は喫緊きっきんの課題だ。何とかしたいと考えているはず。


ハーフエルフの戦力を消す事を良しとはしないだろう。古代兵器を狙ってるならグリガスの話も理解出来る。


共闘はオーチの動向を探った後の方がいいな。オーチの動向も含めた計画にした方がいい。」



「おいおいグレイア、不味いんじゃない。ハーフエルフはいきなり3勢力から狙われてるじゃないか?」


グレイア「不味いですね。」


「ミサキをハーフエルフに回すか?」


サクラ「そうですね。」


ユイ「フェンも行かせるわ。」


「グレイア、ハーフエルフの女王の勢力につては無いのか?いきなり会いに行っても、話も出来んだろう。」


グレイア「領地で探してるんだけど。浅いつてしかないのよ。


伯父さんの友達の子供が一員とか。

子供の頃隣に住んでた人が女王の親戚とか。


せめて幹部の人と浅くても伝があるといいのですが。


無ければ浅くてもそのルートで面会の交渉はしてみます。」

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