第316話 暗黒街ミレース(その7)

エルセラ「さっきスーオに来たんだ。それより、こちらは樹海帝国ダークエルフ国女王で后妃のグレイア様だ。エルソルに聞きたいことがあって見えた。」


グレイア「グレイアです。宜しく。」


エルソル「え、え、」


エルソルは目が点になるぐらい驚く。


そしてカウンタよりいそいそと出て来て跪く。


「は、初めてご尊顔を拝することが出来て、恐悦至極に存じます。エルセラの妹、エルソルと申します。」


グレイア「そんなに畏まらなくても良いよ。立って。疲れるから敬語は止めて普通に話なさい。」


エルソル「は、はい。」


グレイア「暗黒街ミレースの四天王の一人、ハーフエルフのエルサラに面会したいのだ。エルソルの友人が初期メンバーと聞いたのだが間違い無いか?」


エルソル「間違いありません。幹部のエルサイアが友人ですが、私はエルサラさんとも面識がありますので、面会の依頼は可能です。」


グレイア「おお、それは良かった。

早速、依頼人を頼む。」


エルソル「承知しました。」


エルセラ「エルソル、今直ぐだぞ。」


エルソル「え、今直ぐですか?」


エルセラ「そうだ。グレイア様は急いでいる。」


エルソル「承知しました。」


グレイア「頼むぞ。私に掴まれ。」


エルソル「は、はい。」


グレイアは転移魔法でエルソルと一緒に暗黒街ミレースが見える場所まで転移した。


エルセラ「あれ?・・・置いていかれた。」


エルセラは苦笑い。


エルソルとグレイアは暗黒街ミレースの近くに転移した。


グレイア「エルソル、それではエルサラと面会出来るように調整して来てくれ。」


エルソル「グレイア様はここで待ってるのですか?」


グレイア「そんな訳無いでしょう。」


グレイアの足元にサクラの使い魔である黒猫の猫又ミサキとがいる。


また、にユイの使い魔である火の鳥のフェンが、雀程の大きさになってミサキの頭に止まっていた。


グレイア「この黒猫のミサキとのフェンを同行させるわ。この子達から私に伝わる。面会が決まったらこの子達に教えて。」


エルソル「・・・はい。」


ミサキ「護衛も兼ねてるからね。一緒にいこう。」


エルソル「え!猫が喋った!」


フェン「私達は使い魔だからね。ただの猫と鳥じゃないよ。」


エルソル「鳥も喋った!」


エルソルは驚愕するが、落ち着きを取り戻すとミサキとフェンに挨拶する。


エルソル「ミサキさん、フェンさん宜しくお願いします。」


ミサキ「宜しく。」


フェン「宜しく頼むよ。」


グレイア「じゃあ、私は一旦引きあげるよ。エルセラも貴方の店に置いてきてしまったので、帰宅させないとな。店は休業にしておくよ。」


グレイアはエルソルの店に転移した。


エルソル「あ!・・・行ってしまった。」


ミサキ「ミレースに行こう。」


エルソルとミサキ、フェンはミレースの門を潜った。


3人は遺跡の町を歩く。


ミサキ「追跡者がいるよ。」


エルソル「追跡者?」


フェン「半魔族のようだな。」


ミサキ「全部で8人だね。」


エルソル「え、えっ?」


ミサキ「近付いてくるよ。」


フェン「囲まれたな。」


エルソル「え、どうして?」


後ろから半魔族の男が3人近付いて来るのが見えた。


半魔族A「何処にいくんだい?」


エルソル「ハーフエルフの集落に行きます。」


男達はニヤニヤして下品に笑う。

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