第299話 ヴァルキリー(その1)

さて、南の王国に行こうか。


メンバーは前回とほぼ同じ。

ハーミアがいないだけ。


世界樹の精霊王レイ。

エルダーリッチの勇者ユイ。

魔女のウィーラ。

ダークハイエルフのグレイア。

亜神ペナンガルのビー。

キラーアントエンプレスのアンナ。

ブラウニーのブラリリ。


そしてもはや一体化と言っても過言ではない。

悪魔ベルゼブブのスラオ。

神眼のアイ。

神刀のムラマサ。


ノガート町の前回転移した場所に人気ひとけが無いことを確認して貰って転移した。


総勢11人だが、スラオは俺の身体に張り付いてる。


アイは左目に一体化で、ムラマサを左腰に差してる。


そして、レイとビーは左手の手甲になっていて、アンナは隠蔽で消えている。


なので、見た目は俺、ユイ、グレイア、ウィーラ、ブラリリの5人に見えるはず。


ノガート町の南の門に向かう。

南の王国の別の町に行くのだ。


南の門が見える。


「皆、ここで待ってて、隠蔽で門を抜けたら召喚するよ。」


皆「はい。」


俺は隠蔽で消えると南の門に歩いていく。


南の門では門番が二人の女戦士と話をしていた。


女の戦士は町の外に出たいのに門番に止められてるみたい。


良く見るとヴァルキリーのスクルドとヒルド。


その横をすり抜けて門を出る。


スクルド「曲者!」


スクルドは槍の石突きで隠蔽していた俺を薙ぎ払う。


石突きはスラオがガードして止まる。


スクルド「何奴なにやつ!」


あちゃ。油断したよ。


スラオの隠蔽を見破るとは。


隠蔽のまま門の外に走り出す。


スクルド「私が後を追う。オーチ伯爵に報告しておけ!」


スクルドは門番に有無を言わせず俺の後を追う。


ヒルドもついてきた。


スクルドとヒルドは俺を追い越して走り去って行った。


なんだ?町を出たいだけだったのかな。


少し町から離れた場所で仲間を召喚する。


ユイ「ヴァルキリーに見つかってたね。」


「うん。油断したよ。」


グレイアは影から馬車と馬を出す。


グレイア「馬車の用意が出来ました。」


御者はグレイアとウィーラに任せて、俺とユイ、ブラリリは馬車に乗った。


暫く馬車で進むと前方にスクルドとヒルドが待っていた。


スクルド「そこの馬車止まってくれ!」


「グレイア、止めて。」


グレイアは馬車を止める。


グレイア「なにかご用ですか?」


スクルド「お金は出す。次の町まで乗せてくれないか?」


グレイア「ヒロト様、どうしますか?」


「直接話そう。」


俺は馬車を降りてスクルドと向かい合う。


スクルド「先程の賊!」


「賊ではないよ。何も盗んでない。通り抜けただけさ。」


スクルド「何者だ。」


「樹海帝国皇帝ヒロトだ。」


スクルド「樹海帝国!何か身分を証明する物はあるのか?」


「何もないよ。信じる信じないはご自由にどうぞ。」


スクルド「うむ。まあ、どちらにせよ。オーダンの手下でなければ我々には問題ないか。」

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