第97話 魔王軍の足音(その1)

朝食いつものバイキング。

今日は御飯にしよ。

お握り、御新香、味噌汁。

お握りの具はツナマヨ。

食後のコーヒー。


ハクは肉。レイは水。


マヨネーズ、作りましたよ。

保冷パックとセットで絶賛発売中。

もちろんブラックのスケルトン工場から出荷です。

人件費0です。高くても売れます。

馬鹿売れです。笑いが止まりません。

利益が凄い事になってます。


ツナはね、魔マグロのオイル漬け。

缶詰めは技術がなくて製品化はまだだね。


ビン詰めで売り出し中。

そこそこ売れてます。


魔マグロの良さが世間ではあまり、分からないみたい。

これもブラックのスケルトン工場から出荷。

24時間稼動だからね。

スケルトンは、最高です。

経営者にとって夢の人材です。


スパ「王様、魔王軍に動きが有りました。」

「今度は魔族か、ちょっと待って魔族ならルシーを呼ぼう。」


ルシーを召喚。

ハンバーガーを手に持ってモグモグしてる。

ルシー「こんな近くなのに召喚しないでよ。」


「ごめんごめん。

魔王軍に動きがあったみたいなんだ。

一緒に聞いてよ。」

ルシー「分かったわ。

ブラロロ!コーヒー頂戴。」

「俺もコーヒーおかわり。」


ルシーは俺の右に・・・ハクがいるからその隣に座った。

ブラロロ「はーい。今お持ちします。」


ルシー「スパ、豪腕のガランドかい?」

スパ「はい、5万の大軍で魔王軍・オーガの都市から出陣しました。」


「出陣したのか。何処に向かってる。」

スパ1「樹海です。荒野から獣人国に入る模様。」


「ふむ。獣人国か。」

スパ1「獣人国で武道大会を開催する予定になっており、

その日近辺に攻め込むようです。」


「武道大会?

そう言えば念話でそんな事聞いたな。

マジでやるんだ、あのおやじ。」


スパ「復興事業のイベントです。

大陸各地から有名処の戦士を呼び、

自国の戦士を含めトーナメント、

勝者に賞金を出しますが、

大陸各地からの入市料、

大会見学の入場料、宿泊、飲食などの

収入を見込んでます。

既に大陸の各国や勢力に案内状を

送り始めたので中止は難しいでしょう。

案内状を送ったと同時に

ガランドが出陣してるので、

獣人国には密偵が入り込んでますね。」


「案内状を送っただけで、

届く前に出陣だもんね。

情報が伝わるのが速すぎる。

しかも武道大会の準備段階の時に、

軍を編成をしていたと言うことは、

中枢近くに密偵が入っているな。

念話で見た羊獣人のクロニスは怪しいな。」


ブラロロが俺とルシーにコーヒーを持ってきた。


「武道大会って言うと外部の人間が入り放題じゃないか。

しかも武器持参が当たり前。

籠城しても工作員が街中で暴れ放題だな。

籠城なんて出来ないぞ。それが狙いか。」

ルシー「そうね。」


「獣人が魔族に勝てる見込みは無いな。」

コーヒーを飲む。


「また前回みたいにゲリラ戦するにしても、

本隊が獣人の領地にいるからな。

ゲリラ戦も出来んだろう。

しかもあそこの領地に5万も入れば、

食糧は根こそぎ無くなるな。」

ルシー「凌げても後が無いわね。」


「まあ、俺の領地じゃないから、

獣人対魔族は静観かなぁ。

ケットシー、ウェアウルフ、猿人の領地、

ガネーシャの領地もだな、

重点的にガーゴイルを配備して・・・。」


向かいを見る。サクラとアリアがいる。

「サクラ、妖精族にあった結界をこっちに張れるか?」

サクラ「張れるけど。何処に?」


「ガネーシャの領地だな。

戦争と同時に離反させて、

結界張って籠城。

魔族が攻めてきたら、

俺達が攻め込み挟撃する流れだ。」

サクラ「大丈夫だと思うわ。」


「スパ、今の流れを将軍達に連絡して

検討および詳細を詰めて貰ってくれ。

根本的に戦略の変更が必要だったら報告を頼む。

あとガネーシャ、キャル、ウルズ、

モンタにも魔王軍が出陣して

獣人領に向かう予定だけは連絡だな。

ガランドの進軍が荒野に近くなったら戦略会議だ。」

スパ「承知しました。」


「しかし武道大会か。

意味の無いことやるなぁ。」

サクラ「えー。定番じゃん。」

ヒナが起きて食堂に入って来た。

ヒナ「そそ、面白そう。」


「ヒナ、おはよ。今日は早いんじゃない。」

ヒナ「おはよー。今起きたんだ。

武道大会は行きたいなー。」


「戦争中かもよ。」

ヒナ「そのときは転移で逃げればいいでしょ。

あそこもダンジョンにしてるし。」


「武道大会は平和な世の中だから成り立つんだよ。」

ヒナ「なんでなんで。」


「生死を賭けて戦ってる世の中なのに、

自分の技を不特定多数の他人に見せてみな。

それを見てた人と戦ったら不利でしょ。

負けたら死ぬんだよ。」


ヒナ「それでも勝つのがチートよ。」


「命懸けだから出来るだけ勝率を上げたいんだよ。例え1%でもね。

出来るだけ自分の技は見せないで、

相手の情報は知りたいと、

死にたく無い人はみんな思ってるよ。

だから生き残る人は大会に出ない。

大会に出る人なんて馬鹿に決まってるさ、

死んでも良いと思ってる人しか出ないよ。」


ヒナ「見に行かないの?」


「もちろん、安全な範囲で見に行くよ。

馬鹿の情報は知りたい。

出場は絶対しない。」

ヒナ「でしょー。

出なくて良いから見に行こうね。」

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