第167話 魔法国家ソルセル(その6)

宿で食事中に無礼な王の使いがやって来た。


エルセラを無理に連れ出そうとしたので、グレイアが俺の命令で闇の触手で拘束し影に収納した。


困惑しているエルセラはスルーして、食事が終わった。


「食事も終わった事だし、女性陣は買い物にでも行っておいで。」


ヒナ「え!いいの?」


「いいよ。俺とアスタロトはここにいるよ。

ハクとレイも買い物に行ってきな。」


リザ「私はヒロト様の盾、ヒロト様が残るなら残ります。」


コボミ「私も残ります。」


「よし、俺、アスタロト、スラオ、ムラマサ、リザ、コボミ以外は買い物にGOだ。」


女性達とその使い魔達は買い物に出掛けた。


さて、この宿にエルセラが来たことを教えた密偵がいるはずだ。


エルダーリッチの闇の王デルガ、死神デステルとその配下である『闇の風』隊長ヤグルを召喚した。


「デルガ、デステル、暇そうなので手伝ってくれ。」


デルガ、デステル「承知しました。」


するとスパがシュタッと現れた。


スパ「私も手伝います。」


「スパは買い物に行かなかったんだね。」


スパ「私の仕事は密偵なので・・・。」


眷属なのに言うことを聞かないのは、おかしいな?


人の指定が曖昧だったからか。


まあ、いいか。


「スパ、有難う。

デステル、スパから情報を貰って、この宿を中心にこの国の密偵を全員始末しろ。

妻達を見張る密偵も同様だ。」


デステル「承知しました。」


「そして、デルガ、デステルが始末したこの国の密偵をアンデットにして、闇の風に追加だ。」


デルガ「承知しました。

始末もデステルと一緒にやります。」


「よし、任せる。」


「ヤグル、闇の風で王家から次の使いが来たらこの宿に来る前に始末しろ。

王の使いは使い物にならなそうなので、アンデット化する必要は無いが、死体は誰の目にも止まらない様に消せ。」


ヤグル「承知しました。」


「スパ、王家の状況を念話で見せてくれ。」


スパ「承知しました。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔法国家ソルセルの王宮。

王の執務室。


王と宰相が執務室にいる。


王「エルセラを迎えに行った使いはまだ戻らんのか?」


宰相「はい、王宮から近い宿ですが、連絡もありません。」


王「どういうことだ。

影の騎士を総動員して状況を探れ。」


宰相「承知しました。」


総動員しちゃうのね。

影の騎士も全員アンデットだな。


王「エルセラがこの国からいなくなるのは損失だ。

なんとしても引き留めたい。

そして、竜脈の魔女様と連絡が取れないのも気になる。

魔女様と連絡は取れたのか?」


宰相「魔女様の店には結界が張ってあり、入ることはおろか結界を傷付ける事もできません。

強力な結界でした。」


王「樹海王国との戦争や食料危機と問題が多い時に頼りの魔女様とも連絡が取れなくなるとはな。」


宰相「竜脈の守護があるので、魔女様が、何処かに行くとは思えないのですが・・・。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る