第24話 VSゴブリンの群れ(その2)

ゴブリンの群れを迎撃するための罠を設置した時、スパの小蜘蛛から報告があった。


スパ「村から誰か来ます。」

「ん?」

村の方を見ると、レイク、アリア、アキート、門番二人、温厚そうな老人、その他槍を持った男達10人が魔物達をみて警戒しながら歩いてきた。


レイク「ヒロトさん、すいません、この人数しか集められませんでした。」

「いえいえ、俺の眷属達でも防衛出来そうです。無理をしないで危なくない場所で手伝ってください。」


レイク「そんな訳にはいかない。部外者の君達を危険な目に会わせて、当事者の俺達が見てるだけなんて出来るわけがない。」

「そうですよね。思慮不足の言葉ですいませんでした。遠距離攻撃出来る人は土壁の上、近距離が得意な人は土壁の前で待機してください。」


レイク「いやいや、謝ってもらわなくても・・・。そんなつもりじゃないんだ。皆、行くぞ!」

レイクが声を掛けるが他の皆は動かない。

アリア「皆、どうしたの?」

アリアが慌てて皆を見まわす。

村民達は温厚そうな老人を見る。


温厚そうな老人が話しかけてきた。

フルア「村長のフルアです。この度は村の危機にご助力いただきまことに有難う御座います。このような場で言い難いのですが、このような村の存続の危機を、救っていただいた報酬として差し上げられるものが、

この村には有りません。」


「あ、そんなことですか。失礼、俺はヒロトです。報酬は求めませんよ。単なる善意です。って言っても納得出来ないでしょうね。実は俺の眷属達はゴブリンの群れに傷つけられたり、仲間や家族を殺されている者もいるのです。復讐ですよ。」


フルア「そんな因縁があったのですね。分かりました。但し、復讐はヒロト様達の事情。私達が救って貰う事にはかわり有りません。後程、少なくて申し訳有りませんが報酬は受け取ってください。」

「承知しました。無理のない範囲で良いですよ。」

フルア「有難う御座います。」


フルアが村民達を見て叫ぶ。

フルア「皆のもの、儂はヒロト様を信じる。ヒロト様の指示に従って防衛するのじゃ!」

村民達「おう!」


村民達はそれぞれ土壁の上と前に進んだ。

レイクも土壁の上へ走る。


アリアは俺に抱きついてきた。

アリア「命は大事にしてください。無理をしないでね。」

そう言うと、アリアは土壁の前に走る。


アキート「私と村長は足手まといなので戦わないが、君を巻き込んでしまった責任もあるので、戦いを最後まで見届けさせて貰うよ。」

「承知しました。土壁の上の危なくない場所で見ていてください。」


これで戦えそうだ。


ステ1(ゴブリン、来た!)

「来るぞ!」


俺が叫ぶと同時に樹海の端からゴブリンが溢れだす。


落とし穴や蜘蛛の巣、罠に引っ掛かって動けなくなるゴブリン達。

「遠距離攻撃開始!」

そこに各種遠距離攻撃が炸裂。


矢の雨がゴブリン達に降り注ぐ。

ライゾウの雷撃が光る。

スラオの炎弾ファイアーバレットがゴブリン達を撃ち抜く。

死ななかったゴブリンは、アイにMP吸収されて、MP欠乏でフラフラしている。

アイが吸収したMPは、俺の眷属共有のスキルの中にあるMP分配で、魔法を使用したライゾウ、スラオ、コボ5に順次補給される。


ゴブリン達は倒れた仲間の屍を乗り越え数で迫る。

真ん中にいるゴブリン達はアイの魅了で同士討ちを始めた。

「ビー、空襲だ!」

100匹のキラービー達が空中から針弾ニードルバレットの雨を降り注ぐ。

ゴブリン達は次々と倒れていく。

「近距離隊、残敵掃討だ!」


遠距離攻撃と空襲でほぼゴブリン達は倒れていっった。

それを乗り越えた生き残りのゴブリン達は近距離攻撃の仲間達と戦い始めた。

最前列で近接戦闘している仲間にはレイが定期的にエリアヒールを掛けていく。


目の前のゴブリン達を殲滅し、レベルアップ、眷属進化のメッセージが流れ始める。


終わったと思った瞬間、突然恐ろしい咆哮が聞こえて、レベルの低い仲間は畏縮し行動を停止。


ゴブリンジェネラルが現れた。

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