第1390話
残り三体の後衛の魔法使いのみが残っている。ここに弓を使うものはおらず、魔法を使う個体のみが残る。オークを殺したマリアの魔法が爆発し、魔法使いからマリアあたりの視界を奪う。
魔法使いたちは前衛が全部死んだと判断し、二体のオークがそこに魔法を打ち込むのだった。残り一体は動きを観察している。そんな砂埃の中から、マリアはオークを中心に一定間隔で右に走り抜ける。魔法を放っていなかったオークがこのタイミングでマリアに魔法攻撃を仕掛ける。
誰も魔法を放っていない状態を防ぐための戦術だ。オークたちが近寄らせないためにはこうするのが正解だろう。放った魔法が意味なかったことを知ると、残る二体もマリアの方を見るのだった。全てのオークに注目されている状態になる。
急ブレーキをかけたり、わざと体をオークの方に向けるといったフェイントをかける。それによりオークの魔法はブレていく。
マリアの方も魔法を生み出しカウンターとして魔法を放つのだった。だが、その魔法全ては攻撃として魔法を放っていないオークに撃ち落とされるのだった。このタイミングで、オークの死体の山から二本の魔法が放たれる。防御力を捨て、スピード特化に変えているライトジャベリンだ。
もう前衛のオークは死んだものとして、後衛のオークは誰もその方向を見ていない。この奇襲が刺さる。二体のオークに当たり殺す。そのライトジャベリンが爆発するのだった。瞬時に噴き出す血がオークの右目に入り、目潰しになる。たまたまだが運が良かったな。
目潰しをされ残ったオークは、警戒するために飛んできた左目で魔法の方(右後ろ)を見る。マリアから目を離した。マリアは一発のライトボールを上に放ち、このタイミングで攻撃を仕掛けるために走り出す。一瞬だけ見て振り返ったオークが慌てながら魔法を放つ準備をした。
だが、終わりだ。上に打ち上げたライトボールが体の前に当たり爆発することで視界と動きを奪い取る。その砂埃に紛れ、右に動くのだった。右に動いたことを知らなかったオークはまっすぐ進んでいると考え、マリアがいた場所に魔法を打ち込む。砂埃に穴が開き、そこをオークの魔法が通った。
もうすでにマリアは近づいており、オークの真横を取っている。そしてメイスを振りかぶる。グシャッとオークの頭を叩き潰すのだった。力を失ったオークは、後ろに倒れ込み消えるのだった。ドロップに変わる。
マリアは手に入れたドロップを高らかに掲げるのだった。まあ、頑張ったのだからそうなるのは当然か。そして、鬼の婆娑羅は、
「もう一周」
というのだった。経験値的にも美味しい階層だ。もっと周回をしてレベルを上げてもらいたいのだろう。おそらくだが、一人で行くには危ないと判断されるだろう。そのため、俺か婆娑羅のどちらかを連れて行かなければならない。
だから余裕を持って殺すことができると証明するためにも、もっと戦い上手になってもらいたいのだろう。
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