第749話

 下の方は木製の家が多かったのに対し、上に行くとレンガや石で作られた家が増えていく。高級住宅か火を扱うものだろう。レストラン的なものはないのか?1つの家に入ると、その理由がわかる。それは、鍛冶場だった。無人の鍛冶場だ。音が出るため、よってくることは確実になる。


 ・・・どちらにせよ使えないな。道具の猫ババってできるのか?外に持ち出すことができてしまった。それなら、持って帰ることもできるだろう。仕掛けはあるはずだ。犯罪者扱いになり、1対1がなくなるとかあり得る。盗むのなら鉱石とかだと思い探したが、見つからなかった。


 確認も終わった。持ち出したものを元の場所に戻してから、さらに奥まで進んでいくか。1つの豪邸があった。あれが貴族の屋敷だな。広いな・・・。時間経過で地面に生えている草が伸びており、石畳を壊している。


 家も下の方だけ侵食されている。これが普通でブームだったのかは知らないが、廃墟のように見えてしまうな・・・。アンデットナイトが入り口を封鎖し、通行を止め家の塀裏を巡回している。ツーマンセールだ。ここは1対1の状況にならない。


 魔力強化で視力を良くし、家の中を見た。豪邸の雑草が生い茂るところに1体のアンデットナイトだ。おそらくあれがボスだろう。1体だけ装備の質が違うように感じる。しかも馬が大きい。外にいるのが下っ端用の馬だとすれば、あれは軍馬だ。千里走ると言われても納得してしまうほどの太い骨格だ。


 魔法使い系のモンスターがいない?20階層で出てきた魔法を使うようなアンデットとして出てきたレイスがこの階層に現れていなかった。


 どこか限られた場所にいる?それともこの階層に存在していない?存在していない方が確率としては高そうだ。ここに来れば遠距離武器を持っているものがいる。逆にここ以外は、遠距離武器を持っていないものばかりということになる。


 騎士ばかりを輩出している脳筋系列の町なのかもしれない。それなら、魔法を使ってくるような個体がいないことに納得できるな。もしかすると、馬が魔法を使ってくる可能性もある。あの家の中には宝があるのは確定だろう。


 隠れて入ることができるか?入った瞬間に気が付かれるとか、音が鳴り響くとかの対策はされてそうだ。その音がなった瞬間外で待機している奴はもちろん、塀外で巡回しているものもやってくるだろう。全て倒してから行くしかないようだ。


 下っ端との戦闘訓練をしてから、あのボス?とも戦いたいな。あと商業施設の方に教会もあった。司祭以上のスキルブックがあるのかもしれない。ここを探索するのは確実だな。

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